全て
| 見たもの・聴いたもの(雑記)
| その他(時代小説)
| 佐野元春 その他Newsの類
| 大河ドラマ
| その他(現代小説)
| 司馬遼太郎
| 池波正太郎
| 山本周五郎
| 藤沢周平
| ホントは読みたくないビジネス書籍
| 映画「あ」行
| 宮部みゆき(時代小説)
| 宮部みゆき(現代もの)
| 阿刀田高
| 遠藤周作
| 洋書
| 宮尾登美子
| 佐野元春 Back to the Street
| 佐野元春 Heartbeat
| 佐野元春 Someday
| 佐野元春 Visitors
| 佐野元春 No Damage
| 佐野元春 Cafe Bohemia
| 佐野元春 NFと泳ぐ日
| 佐野元春 Time Out!
| 佐野元春 Sweeet16
| 佐野元春 The Circle
| 佐野元春 Fruits
| 佐野元春 The Barn
| 佐野元春 Stones and Eggs
| 佐野元春 The Sun
| 佐野元春 Coyote
| 吉川英治
| 陳舜臣
| 映画「か」行
| 映画「さ」行
| 映画「た」行
| 映画「な」行
| 映画「は」行
| 映画「ま」行
| 映画「や」行
| 映画「ら」行
| 映画「わ」行
| 映画「数字など」
| 佐野元春 月と専制君主
| 塩野七生
| 星新一
| 村上春樹
| 有川ひろ
テーマ:時代小説がダイスキ(480)
カテゴリ:吉川英治
2009年1月中盤から読み始めた新・平家物語を16巻全部読み終えたのはゴールデンウイークの真っ最中だった。 丁度日付が変わるような真夜中だった。 結びの物語、「麻鳥と蓬子が吉野で桜の花見をし、息子の麻丸が声もなく涙を流している」場面が文字だけでなく映像が自分の血の中に入ってくるような錯覚を覚えた。 読み返しを進めながら「静」と「吉野雛」の巻だけは三度読んだが、残りは全て二度だけ。 たった二度の読み返しではこの物語は惜しい。 何より、会社勤めで細切れ細切れで読み進めることがエラく悔しかった。 どうせ読むのなら一気呵成に、というのが強かった。 通勤電車が駅に着くのがとても恨めしい気持ちに何度も襲われた。 完結の言葉に吉川英治が書いているようにこの小説は7年間かけて執筆されている。 それを僅か4か月程度で読み終えたことに対しては上記のように一気呵成に読みたかったと言う反面、色んな感情が渦のように巻き起こったり、絡み合ったりしている。 まずはくじけずに読み終えたことが嬉しい、知らない事件ばかりで辛かったのが保元と平治の乱の頃、投げ出そうと思って宮部みゆきの短編に手を出したこともありました。 次に7年の歳月をかけて執筆された物語を僅かに4か月に詰め込んで読んだという私から作者へのの申し訳なさ。 そして7年間かけて読み進めたであろう僕らの父親の世代が羨ましさ。 戦後復興の頃から執筆されただけに、戦争の悲惨さや愚かさへの作者から読者へのメッセージは現実のものであるし、強烈。 出典は平家物語だけでなく「保元物語」「平治物語」「義経記」「吾妻鏡」といったいくつもの古典のエッセンスを抜き出し、再度紡ぎ出して、吉川英治が推察を交えながら新しい物語として昭和の時代に描き出したもの。 平家物語をいつか読もうと思っていたのは「敦盛」を古文で習ったときからだから、23年の時間を経てその思いが成就した(←大袈裟) 平安末期のことは何も知らなかった。 これを読んだからといってこの時代の全てが分かった気になることもない。 ただ、大きな時代のうねりを感じた。 荘園支配が「血」の貴族から「力」の武士へと移り変わる時「血」を優先しようとして失敗した平家の物語。 軍事の天才がゆえに兄に追われた弟の物語。 そして何より。大きな力を持たずにいつも右往左往させられる庶民の物語。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[吉川英治] カテゴリの最新記事
完読、おつかれさまでした。
本当に、素晴らしい物語なのだろうと思います。 4ヶ月で読み終えたというのもすごいですね。 2度読みですから、実際にはその半分で16巻を読んでるんですね。 じっくりと読みたい名作だけど、私には無理だなぁ。 老後の楽しみにしておきます(笑)。 (2009.05.31 09:19:04)
gundayuuさん
> 老後の楽しみにどうぞ、いやホントに。 現役時代には少々キツいかもしれません。 とはいえ、現役時代に読んでおくと得られるメリットも多いはずなんですが。 残念ながらそこまで読めていません。 (2009.05.31 19:26:37) |