男の肖像
この本を手に取って、読み終えてから、遂に塩野さんの大作、というか生涯をかけて執筆されているのであろう『ローマ人の物語』に手を染めた。その『ローマ人の物語』で、早々に登場してくるペリクレスやアレクサンダー大王らのことも書かれている。行きつ、戻りつを繰り返しながら読んでいくことになる公算が高いので、『ん?そういやこの人ってどんな人だっけ?』と膨大な頁を読み返す代わりにこの『男の肖像』でサクッと復習しようかな、と思っています。もっとも、この本も短い文でありながら、脳みそには実に厳しい(つまり頭を使わせる)本ですが。で、この中で興味を惹いた人間は誰かといえば。『北条時宗』です!!意外でしょうか?意外でしょうね、最近の私の読書のトレンドが西洋ですし、元来の嗜好は幕末と戦国ですから、そのどれにも属さない鎌倉時代の執権に興味を惹かれたのは、私自身が一番意外に感じています。塩野さんが書く時宗は『世界基準の男』まぁ、一般的に思える『世界基準の男』って日本史の中では信長、龍馬あたりでしょうから、彼ら以上とも思えるほどの勇気と判断の持ち主だったのかと目からウロコでした。千利休で書かれている、信長、利休、秀吉の関係についての塩野さんの推理(考察?)は面白い視点です。女性が男性を観る心の双眼鏡を持つために一読する価値はあります。そして我ら男にとっては肝を練るために一読する価値があります。・ペリクレス・アレクサンダー大王・大カトー・ユルウス・カエサル・北条時宗・織田信長・千利休・西郷隆盛・ナポレオン・フランツ・ヨゼフ一世・毛沢東・コシモ・デ・メディチ・マーカス・アグリッパ・チャーチル