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佐遊李葉  -さゆりば-

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2008年07月02日
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カテゴリ:蒼鬼
 明子ははっと顔を上げて、継子に詰め寄った。

「それはどういうことじゃ」

「この間、わたくしの侍女が宿下がりをした時に、京の町の噂話を聞いてきたのですよ。何でも、最近愛宕山の山頂辺りを、ふらふらと蒼い光の玉が飛んでいるのが見えることがあるとか。都では今もっぱらの評判で、中には愛宕山の山中に迷い込んだ時に恐ろしい蒼い鬼に出くわしたと申す者もいるそうでございます。もしやあの鬼ではと、わたくしは思っていたのですが。ただの町の噂でございますれば、確かなことかどうかはわかりませぬ」

 明子は暗がりの中で瞳をきらめかせ、継子の手を取って言った。

「愛宕山へ行ってみれば、何かわかるかも知れぬ。すぐに車の用意をしておくれ」

「何と仰せられます? 帝の母君ともあろうお方が、そう軽々しく遠出など出来ますものか」

「構わぬ。父上に、わたくしが嵯峨の別荘で養生する気になったと申し上げておくれ。出来るだけ目立たぬようにしたいから、女房の一人が外出するように装ってくれと。そう言えば、父上はそのように取り計らってくださる。嵯峨から愛宕山へはそう遠くないから、そなたがうまく立ち回ってくれれば、何とか行ってみることが出来ると思う」

 継子はなおもしばらく反対したが、明子は決して諦めようとしなかった。継子は昔から明子に甘く、どうしてもと頼まれると嫌とは言えないところがあるのを、明子はよく知っていたからである。

 そして結局、継子は明子に説き伏せられ、明子は翌日継子だけを供にして嵯峨の別荘へ行くことになったのだった。


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最終更新日  2008年07月02日 15時05分07秒
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