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カテゴリ:実践!企業価値評価
1日1分!企業分析 本日の日経注目企業の分析 ~パイオニア~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■注目した記事(4/29 9面) パイオニア経営計画、400億円調達 公的資金で再建探る ■記事への素朴な疑問 借入を行って構造改革、特にカーエレクトロニクス事業の強化を行う一方で、 ホームエレクトロニクス事業に含まれる、プラズマパネル・テレビ事業の 09年度末完全撤退を行うようですね。 パイオニアはどんな財務状況におかれていたのでしょうか? 特にカーエレとホームエレ、事業別の業績には、 どのように明暗がわかれていたのでしょうか? 以下では、08年度まで直近5年間の当社の財務状況を基に分析します。 パイオニアの株価を見る前に~決算・財務分析はこちら パイオニアの企業分析 ■P/Lの視点 伸びていた売上は、08年に前期比-2.8%の減少に転じ、 営業利益、純利益については共に05年から赤字続きです。 特に2006年には純利益が850億円の赤字でした。 業績の調子は非常に良くないようですね。 次に、実際のキャッシュの流れを見てみましょう。 ■C/Sの視点 営業CFは、06年の680億円から、07年は160億円、08年は220億円と キャッシュ流入が大幅に減少しています。 投資CFは、継続的にマイナスで、08年には営業CFを超える マイナス720億円となっており、 財務CFとして、08年に350億円の借入を行っています。 業績が悪く、キャッシュが少ない中で、借入を行ってまで 投資を継続しています。 この状況は、企業の状態には、どう反映されているのでしょうか? それでは、B/Sを見てみましょう。 ■B/Sの視点 総資産が07年の6300億円から、約10%(600億円)減少し、 08年には5700億円になっています。 現金が200億円、固定資産が250億円減少しています。 現金が流出していく中で資産売却を行いながら、資産を圧縮していますね。 ここまでで、いったん軽くまとめましょう。 ■まとめ(軽く) 利益が出ておらず、営業からのキャッシュが少ない中で借入を 行いながら投資を行いつつ、資産を圧縮しています。 経済環境の悪化の中、依然として先行きが読めない状況であり、 今後のさらなる景気落込みに対して業績を回復できるよう、 パイオニアは構造改革を行う必要があることが、明らかですね。 それでは最後に、今回の構造改革の骨子であった、 (1)カーエレクトロニクス事業と、 (2)ホームエレクトロニクス事業の業績を見てみましょう。 ■事業セグメントの視点 08年までの(1)と、(2)の両事業を比較すると、その明暗が明らかです。 07年度の売上は、(1)は3700億円でトップでしたが、 08年度は(1)が3300億に減少に転じ、(2)が3800億と、 遂に(2)が首位に躍り出ています。 また、(1)の営業利益率は08年に0.15%、過去にもマイナス4%だったりと 利益率が低いですが、(2)は安定して6%以上を確保できています。 明暗がはっきりと分かれていますね。 補足として、キャッシュが少ない中で08年には大幅な投資を行っていますが、 有報で中身をさっと確認すると、 主に、カーエレクトロニクス事業への設備投資、 シャープとの業務提携費用に投資したとのことで、 既に本日の記事にあった戦略を実行していたのですね。 パイオニアの株価を見る前に~決算・財務分析はこちら パイオニアの企業分析 以上の分析でご不明な点等ございましたら、 是非シェアーズまでご連絡ください。 感想もお待ちしております! support@shares.ne.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月29日 15時47分31秒
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