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2010年12月14日
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カテゴリ:読書
 ガルシア・マルケス著、鼓直訳。82年にノーベル賞をとった南米コロンビアの作家。リョサの作品を読んで驚き、当時大きな話題になったマルケスの代表作を今になって読んでみた。南米つながりというところ。似ているところもある。日本から見ればどちらも近くの南米大陸北東部が舞台となっており、日本人とは異質の精神性感性を持っている人々が登場する。その奔放なこと行動的なこと衝動的なこと、それでいて忍耐強く正直。そうした人間たちを取り囲む荒々しい自然の圧倒的な存在感。こうした点は南米文学の魅力なのだろう。
 だが、舌を巻いたのは、この作品の小説としての面白さだ。錬金術の魔法もコロンビアの政治史産業史も宿命的な女性論も何もかもを渦の中に巻き込み、作家の筆によって練りあがったのがこの作品だ。一つ一つのエピソードにびっくりさせられ楽しんでいるうちに壮大なドラマが展開されていく。目くるめくという言葉があるが、それがぴったりだ。奔放さを楽しんでいるうちに確実に宿命的なものに羽交い絞めにされている。この感触は、全然別の趣の作品だが、源氏物語を読んだ時に似ている。確かな情報を得る作品ではない。善悪を論じる作品でもない。小説の面白さを楽しむ作品である。それは又人間の面白さ、生きていることの面白さを感じることにつながる。





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最終更新日  2010年12月14日 16時19分29秒
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