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2010/04/13
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カテゴリ:ガンダム

ー機動戦士ガンダムMimesis(ミメシス)ーガンダムミュー

序章32



カドミロスが地球に降り立って5年の歳月が流れていた 

金星に集まりレジスタンスの活動を開始してから、
かれこれ10年は経っている

連邦政府から使用許可のおりた嘗ての
ニュータイプ研究所で研究を始めて、
カドミロスが提案した、
ミームコンピューターは最終調整に入り、
試験的に旧型のモビルスーツへと搭載され、
その試運転が行われていた 

ミームコンピューターのデーターの中には、
サナリィで研究されていたモビルスーツと同じく、
過去における有能なパイロットの戦闘データーと脳波図形が
インプットされている

「順調に進んでいるようだな」

一人の年配の男が話しかけてきた 

「いえ、まだまだですよ、
 このコンピューターの性能は実戦させてみないと、
 本当のその姿を証明する事になりませんから」

「そうか・・・詳しくは解らないがね 
 連邦政府に掛け合ってまで手に入れたデーターだが
 それを使って
 サナリィの真似事をするべき事だったのか疑問でね」

「サナリィと比べないでください
 サナリィのはあくまで、擬似人格です 
 モビルスーツの中にある人格が
 操縦者の意に反して、その人格が判断した動きをするのです 
 私達のはミームですよ 
 パイロットに、その擬似人格が伝染するのです 
 全く違いますよ」

「サイコミュと変わらんではないのか・・・
 しかも、それが操縦者の脳波に
 与える影響は計り知れるものではない
 私は、そう考えるのだが」

「ここまできて・・・
 この開発を中止しろとおつしゃるのですか?」

「そうではないが・・・
 特殊なモビルスーツを用いた戦闘で、
 その人間性までも失ったパイロットがいると聞いてね・・・
 マフティーの動乱以降、公になる戦闘は起こってない中で
 誰もが今の平和を望んでいる
 その時代に操縦者の負担になるようなものを、
 わざわざ開発する必要性があったのかと思うのだよ
 それに
 私はね、このモビルスーツを見ると、君の個人的関心から
 なっているものとしか映らないのだよ
 そうではないのかね?」

「そうだとしたら、どうするおつもりです」

「君に一つ忠告しておくよ
 いいかね、兵器はおもちゃとは違うのだ
 個人的関心や探究心から、
 必要以上の開発を進めることは非常に危険なのものだ
 必ず、そこに、想定しなかった事態がおこる
 そして必要以上の犠牲も生まれるものだ・・・
 それを、君も知っているではないのかね」

「それは、親族が関わった事故の事をおっしゃっているのですか?」

「それもあるがね・・・」

「私も言わせていただきましょう 
 想定以上の犠牲を生むか否か以前に
 ここで開発しているのは、
 もうすでに人を殺すための道具にしか過ぎないのです
 それを何を今更、おっしゃるのですか・・・
 開発部長、私には貴方のおっしゃる事が
 よくわかりませんね」

「そう・・・そうだったな、
 君の開発に関するかたくなな気持ちはわからなくもないがね 
 しかし、覚えておきたまえよ
 ほんの少しのプライドや見栄が、
 取り返しのつかない事態を招く事があるということもな 
 コンピューターをたやすく、人の思い通りに出来ると思ったら
 大間違いなのだ 
 その事を今一度、君に知っておいて貰いたくてね」

「それだけを言いにここまでいらしたのですか?」

「ああ・・・」

「それは、わざわざ私のために」

「君は、私の意見を疎んじるが・・・
 こうした技術は・・・
 いずれ自分の身に降りかかる脅威に変わるものだ
 君が、その脅威を自らの身に味わうようにならなければいいがな・・・」

「ご忠告感謝します 
 そうならない為に、全力をつくすつもりですが・・・」

「運が君に味方をする事を願っているよ」

この言葉を聞いてカドミロスは閉口した 
そして、その言葉を残して、背中を向けて立ち去っていく
開発部長の背中を物憂いな表情で見送った

今日の開発、研究分は無事に終わり、
部屋にかえったカドミロスは仕事机に両手をついて、
開発部長の言葉を思い出しながら 
祖父の遺品のからくり人形のゼンマイネジを眺めている 
カドミロスの本意ではないが部長の言葉は的を得ていることは
十分に承知していた
しかし、そこには、その言葉を簡単には決して受け入れられない
現状があり、またそこから、その先を追い求めていく興味は 
抑えようもなく、自問自答を繰り返していた 
空調の音だけが響く部屋の中で、
ただ何もなく、ゼンマイネジを眺め続けていた 
どれだけの時間が経ったか解らないが、
おもむろにドアの外に何かがぶつかる音がし、
我に返ったカドミロスは、
モニターで外を確認した 

「なんだ・・・あの二人か・・・」

カドミロスは、少し微笑んで、ドアを開けたが、
その二人が入ってきて表情が一変する 

「どうしたんだい?何の騒ぎかな?」

「すいませんマネージャー」

「まあいいさ、怪我をしているようだ・・・
 そこに座って、飲み物でも・・・・」

「いえ、私達・・・」

「何をしたかはわからないが、
 状況から何かに追われているのはわかっているさ」

「とにかく傷口だけでも何か巻いておいた方がいいだろう?」

「ええ・・・すいません」

「それで、どうして、そうなったのかな?」

「ゆっくりしていられないんです」

「それでも、ここまで私を頼ってきたんだ 
 私にも聞く権利があると思うけどね」

そう言っている最中に
男がカドミロスのこめかみに銃口をつきたてた

「私を撃とうというのかい?」

今にも撃ちそうな男を、
女が静止した

「やめてプリクソス」

「物騒は嫌いでね・・・
 君たちは、てっきり金星から来た私の仲間と思って
 いたんだが・・・
 そうじゃなかったようだね」

「ああ、全部見せ掛けさ」

「じゃあ、連邦の駒かと言うと・・・
 そうでもない様みたいだが?
 理由は教えてくれないのかい?
 これだけの事を連邦管轄の研究内でしでかしたんだ
 駄々じゃすまないのは解っているだろう?
 今までの中だ、話によっては協力しなくもないさ」

「騙されないぞ」

「騙すも何も・・・」


その言葉に女が男に声をかけた

「どけて、その銃」

「ヘレー・・・」

「もう何年も、レジスタンスの動員
 として一緒にやってきたのよ・・・大丈夫よ・・・この人なら、
 自分も危ない道を渡っているんですもの
 変な事は出来ないわ・・・」

「おっしゃるとおりだ」

「ちっ」

そういってプリクソスは銃を降ろした
それと同時に女が話し出す

「私達二重工作員だったんです」

「へぇ、でも、ここは連邦の管轄だ、
 連邦の工作員が連邦に追われるわけがないからね 
 連邦ではないんだろ?」

「ええ」

「自分のところと、あとの、もう一つは何処なんだい?」

「それは・・・名前はいえませんが・・・」

「軍事情報をほしがる連中が五万といるんですよ」

プリクソスが割って入ってきた 

「一部の貧困コロニーではね、
 さまざまな技術情報を売って、
 それを資金にしている所もあってね 
 それで金星で大規模な開発が行われているっていうんで、
 情報をつかもうともぐりこんだら、
 まさか、ここでレジスタンスの活動が行われているなんて
 思ってもよらなかた事でね」

「それで、活動に参加したわけか?」

「ああ、入れば、他にも金になる情報が出てくるかもしれないからな 
 まさか、そのおかげで、
 過去の有能な操縦者のデーターが手に入るとは
 思っても見なかったですがね」

「へぇ・・・それで、何でこんなめんどうな事になったんだい?
 その情報を盗もうと思って、
 連邦の警備隊にでも見つかったのかな?」

「違うんです」

「あんたらの仲間に追われているのさ」

「どういう事だい?」

「あんたらの仲間のイーノーが、
 俺達が別の工作員だって気づいたのさ」

「僕はあった事ない人だけどね」

「なあ・・・頼むよ 
 あんたらだって、
 もしかしたら俺達の情報の恩恵になっているかもしれないんだ
 だから・・・なぁ
 ここ・・・逃してくれよ・・・頼む
 あんたの仲間なんだろ」 

「そんな事は言ってもね・・・ 
 私も自分の身というのが大切だからね」

「何を!」

男はまた拳銃を構えた

「やめてプリクソス
 それじゃあ、私達はこのままこの部屋を出るわ・・・」

「ヘレーいいのか?」

「いいのよ、さっきも言ったでしょ」

「まあ、少しは落ち着いたらどうだい?
 私は面倒は嫌いな性質でね 
 それが目の前に裏切り者がいようともね・・・
 しかも、こうした事は、
 大抵が周りの人間がやってくれていたから余計だよ」
 
「仲間に連絡するんじゃ」

「連絡する気があるならとっくにしてるさ・・・」

「じゃあ、何故?」

「君らはバイオコンピューターの情報がほしくないか?」

「ああ、金になるならほしいね」

「今、ミームを搭載したモビルスーツが三機あるだろ?
 これを君たちに一機ずつあげようというんだ」

「でたらめ言っているんじゃないだろうな!」

「ああ、でたらめじゃないさ・・・
 その代わり条件がある」

「それは何?」

「僕は、この試作機が本当の戦闘になった時、
 どんな状態になるのか、調べたくてね 
 しかし、今の状況で、それが出来ない 
 例え、コンペテションとして操縦しても、
 本当の力を出せるかどうかは解らない 
 だから、君達を逃がす代わりに
 この時のデーターを送ってきてほしいんだ」

「それだけでいいのか?」

「それだけと簡単なもんじゃないさ
 まだ、動作を保証するものがなくてね・・・
 もしかしたら、それで命を落とす事になるかもしれないが・・・
 運がよければ機種ごとデーターを手に入れる事が出来る
 さあ、どうする?」

「どうする、ヘレー」

「君たちの残された道は、これしかないと思うけれどね」

カドミロスは腹を探るように二人の目を見つめた 

「ヘレー」

「やるわ・・・私たち」

「そうか・・・」

「で、どうやって持っていくの?」

「まず私を人質にとってもらおうか」

「人質?」

「ああ、そうさ、私の独断で、
 モビルスーツを簡単に渡せるわけがないだろ?
 連邦も納得した説明をしないといけない」

「くそっ」

「今なら・・・
 まだこの部屋を出て行くだけでよくなるが?
 その先は、変わらないだろう?」

「そうね、しょうがないわ・・・いいわ・・・
 プリクソス・・・彼を・・・」


そういって二人は、カドミロスを人質にとって部屋をでた



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最終更新日  2010/06/17 02:02:23 AM
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