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カテゴリ:短編 05 『聖女のFと、姫君のD!』
ss一覧 短編01 短編02 短編03 短編04 短編05 「……気分はどうや?」 いいねいいね……ゾクゾクするぅぅ。 雑記 お疲れ様です、seesです。 最初に言い訳をいくつか。 最終話、更新大幅に遅れてすみません。いやね、もうホント大変でした。 「さーて作るどー」のタイミングで志村けん師匠の急死……泣きながら過ごしているうちに 数日たち、なかなかダメージが深く、立ち直るのに苦労しました。 seesの勤める会社でもコロナ騒ぎがあり、もう大変……。実際はインフルを患った若手 社員がいて、そやつが顧客に吹聴してしまってネットに情報漏洩……クレーム案件で社長 激オコ(# ゚Д゚)……とんでもなく社内が荒れた日々がありまして……。 そして最終話、いかがでしたかね? 最終話は豪華版として4話ほどまとめ更新しようか とも考えましたが、すまんです。結局我慢もできず、中途半端なタイミングで順次公開の 流れになりました( ;∀;)ア~ア 今回の話の総括ですが、結局、seesは澤さん大好きってことでまとまりました💦💦💦 最終話『中』の話がすべてです。それまでの川澄氏の行動や、Fのなんちゃらかんちゃら など、実際はどうでもいいことなのです。ただ物語の構成上、仮想敵、みたいなくくりで のキャラ設定が欲しかっただけ(#^.^#)テヘヘ 方向性としては、やはり京子様のひとりだち(キャラ立ち)を最優先として、キャラク ターたちにバンバン個性を与えていきたいな~みたいなww 今後は京子様の2面性と、Dの総務部長こと熊谷部長、生贄役として若手を何人か作ろ うかと……ということで……次回は……。まあ、⇩見ればわかるかなww しばらくお休みしていたショートショートも何本か作ろうかなと考えていますので、 次のDはその後かな……。 何にせよ、コロナ、早く終わらないかな……微力ですが、seesも世界平和を祈ります。 私、seesに関しての情報はもっぱらTwitterを利用させてもらってますので、そちらでの フォローもよろしくです。リプくれると嬉しいっすね。もちろんブログ内容での誹謗中傷、 辛辣なコメントも大大大歓迎で~す。リクエスト相談、ss無償提供、小説制作の雑談、いつ でも何でも気軽に話しかけてくださいっス~。"イイネ"もよろしくぅ!! でわでわ、ご意見ご感想、コメント、待ってま~す。ブログでのコメントは必ず返信いた します。何かご質問があれば、ぜひぜひ。ご拝読、ありがとうございました。 seesより、愛を込めて💓 適当ショートショート劇場 『コロパニック』 sees 「『ずっまよ』のコンサート……延期だった……』」 後輩 「えーーっ! seesさん、チケット取るんだ―って騒いでましたよねw」 sees 「うん……エメさんも、ポルカも、ヨルシカも、コンサート延期やら、中止って……」 後輩 「うわあ……最悪すね」 sees 「ホンマやで……好きな人に会いに行けないのは……つらひ( ;∀;)」 後輩 「……(きもいな)」 ――――― sees 「マスク、もうないアル……後輩ちゃんは?」 後輩 「昨日――アオキスーパーの開店並んで買いました。って言っても20枚ほどだけど」 sees 「……洗ってもいいのかな?」 後輩 「イイとは思いますけど、先輩、アルコール液とかは持ってます?」 sees 「ないけど……会社の備品、少しだけパクってもいいのかな?」 後輩 「……(ダメだコイツ)」 ――――― sees 「トイレ紙はまだ余裕あるけど……箱ティッシュが、もう残り少ない、どうしよう」 後輩 「(うぜえな)……うーん、子供用のポケットティッシュなら、まだ薬局にあったよ」 sees 「えー……できれば鼻セレブ使いたい……」 後輩 「はあ? 何を贅沢いってんすか? 来週には大量に入荷するって世間は言ってますよ?」 sees 「うう……もうダメだ……ワシは、もう、ダメだ……殺して……」 後輩 「う……(唐突にメンヘラ? マジでキモいな……)」 (だいぶ前に作ったオマケ、今はもう大丈夫)(#^.^#) ――――― sees 「いっそコロなりたい……コロなりたい……そしたら2週間の有給確定……ああコロ なりたいコロなりたいコロなりたい……ブツブツ」 後輩 「ww(壊れたww)。有給なんてダメに決まってんじゃないスか~(# ゚Д゚)」 sees 「そんなことないもんっ! ウチ、コロなって休むもんっ! 給料もらったまま、病院 で隔離されるんだいっ! (そしたらいっぱいブログ更新するゾ(*´σー`)エヘヘ)」 後輩 「……これが、"疲れた現代人"のホンネか……」 3月に作ったオマケ部分。現在では、心境も全然違います。 これは国難です。早期の収束を願います……。 🌬了🤧 こちらは今話がオモロければ…ぽちっと、気軽に、頼みますっ!!……できれば感想も……。 人気ブログランキング ――――― 岩渕の病室を出たヒカルは、ナースセンターの前のラウンジに座る伏見宮京子の元へと 向かった。 岩渕への別れの挨拶の際――別に彼女が同席していても良かったはずだった。けれど、 京子はここで待つと固辞した。何か気を使うことでもあったのだろうか? 「……私は少し、川澄様と会う予定がある。ヒカルも最後に、京子様と挨拶してきなさい。 終わったら……病院の入口で待ち合わせよう……」 ヒカルの返事を待たずに、宇津木はエレベーターに乗って行ってしまった。 ……お話があるなら、岩渕さんの病室ですれば良かったのに。 そんなことを思いながら、ヒカルはナースセンターに向かった。そして、ひとり静かに 何かの本を読みふける京子の前に立った。 伏見宮京子はとても上機嫌のように見えた。朗らかで、嬉しそうで、ヒカルの言葉ひと つひとつに丁寧に対応し、眩しいくらいの笑顔を向けた。本当にキレイな人だ。ヒカルは 思った。真剣な顔は人形のように美しく、くだけた表情はアイドルのように可愛らしかっ た。顔は小さく、瞳は大きかった。背は高いとは言えないが、上品な佇まいは存在感をよ り大きく見せていた。後で聞いた話によれば、岩渕さんとは互いに想い合っているらしい。 「ねえ……ヒカルさん、ちょっと、いい?」 しばらく世間話をしてから、京子はヒカルをナースセンターの奥へと誘った。 「えっ? ここは関係者以外の人は……」 「ああ……ちょっと"機械"を使わせてもらうだけだから……婦長さんにも許可はいただい てますから……」 京子はヒカルの手を取ってナースセンターの奥へと歩き、様々な医療器具や書類や本や コピー用紙やコピー機が乱雑に置かれている一角へと入った。 「……京子様、いったい、ここで何を?」 「えーと……ヒカルさんにはお願いしたいことがあるんです」 京子が屈託のない笑顔を向けて話すので、ヒカルもまた、ぎこちなく微笑んで彼女の顔 を見つめ返した。これまで彼女にしてきたことを考えると、申し訳ない気持ちで胸がいっ ぱいになる。 その時―― 京子が次の言葉を発した、その時―― ヒカルは―― 凍りついた。 「この、"神託"――でしたかね? このノート、そこのシュレッダーで切り刻んで下さい」 ジジジジジジジジジジジ……。 その裁断機は、ヒカルのすぐ目の前で、無機質な音を規則的に流し続けた。 「な、何で……姫様が、それを?」 そう。ヒカルが何年もの間書き綴った――母の愛と、母への愛が詰まった――そして、 京子がラウンジで読んでいて――今、まさにシュレッダーの入口へとセットされたものは ――紛れもなく、フィラーハ様の"神託"のノート、そのものだった。 「私がコレをどこでどう手に入れようと、別にどうでもいいことじゃあないですか……」 京子は微笑んだ。 ジジジジジジジジジジジ……。 「……澤社長や岩渕さんから処分を命じられたわけではないのでしょうけど……ヒカルさ んにはもう、コレ、不要、なんですよね?」 「――ひっ」 小さい悲鳴を上げてヒカルは後ずさった。その瞬間、京子の冷たい手がヒカルの華奢な 手首を掴んだ。 「《F》はもう終わったんですよね? 滅びたのですよね? フィラーハ、とかいう―― "神様もどき"は、死んでしまったんですよね? なら、最後の介錯は、"聖女"である楢本 ヒカルさん……あなたにしてもらった方が幸せじゃなくて?」 ジジジジジジジジジジジ……。 ジジジジジジジジジジジ……。 ジジジジジジジジジジジ……。 「そんな……いやっ……いやです……許して……京子、様……」 もはや悲鳴は出なかった。ただ、脚が震え、瞳から涙がポロポロと流れただけだった。 ジジジジジジジジジジジ……。 「他の"神託"は既に燃やして灰にしました。ふふふ……お庭で"焼き芋"をしたなんて、 子供の頃以来でとっても楽しかったですよ……」 ジジジジジジジジジジジ……。 「……ほら、後は、ノートを少しだけ機械の奥に押し込むだけですよ? それで、《F》 の消滅を認めます。それだけで、私は《F》のすべてを許します、よ?」 京子がニッコリと微笑み、冷たく、湿った手でヒカルの手首をシュレッダーに近づけ る。信じられないほどの強い力で腕が引かれ、"神託"の端に掌が触れる。 ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ……。 もう、逃れる方法はなかった……。 あまりの恐怖に、ヒカルは息をするのも忘れた。 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ……。 かつて、私に、 『伏見宮京子を殺せ』 と命じた声が―― 『畜生っ! 貴様、絶対に殺してやるっ! 絶対にっ殺すっ!』 と怨嗟を誓い―― 『助けて……お願いだぁぁ……死にたくないぃ、死にたくないぃ……』 と慈悲を媚び―― 『やめてっ! やめてーっ! あああああああーっ……』 と凄絶な悲鳴を上げ―― 『ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ……』 と、断末魔の悲鳴を上げるのを――ヒカルは聞いた、聞き続けた……。 もはやヒカルは何も思わなかった。何も考えなかった。ただ、フィラーハ様という存在 は、死んだのではなく――伏見宮京子に殺された、ということだけはわかった。 やがて……"神託"は紙1枚残らず切り刻まれ、やがて、糞尿の付いたオムツや髪の毛や、 生ゴミやお菓子の食べカスや、使用済みの検尿カップやボロボロになった雑巾や、破れた 手袋や靴下や下着と一緒になって1枚数円の廉価なポリ袋に放り込まれ、ヒカルが"聖女" であった証も、かつて《F》の"神"であった歴史すらも――ゴミのように廃棄された。 そして……"ただの人"となったヒカルの前から、永遠に消滅した……。 「宗教戦争における敗北は、"神の死"あるのみ……あぁ、おかげ様でスッキリしました。 ……では、ヒカルさん、ごきげんよう」 呆然自失するヒカルの前を通り過ぎ、京子は高らかに笑いながら、岩渕の病室へ向かっ て歩きはじめた……。 ――――― 澤光太郎、岩渕誠、宮間有希、鮫島恭平に引き続き、宇津木聖一は"川澄奈央人"の素性 を調べるため、個人的に交友のあった探偵社に調査を依頼した。依頼を引き受けた調査員 の男は、その多額の報酬に驚いたものの、喜んで調査を開始した。 数日後のことだった。宇津木がいつものように事務所で仕事をこなしていると、調査を 依頼した探偵社から小包が届いた。さらに探偵社から手紙と思われる封筒が一冊届いてい た。小包と一緒に送ればいいだけのこと、にも関わらず、である。 不審に思いつつも、宇津木は小包を開けた。 瞬間、宇津木は震えあがった。 小包に入っていたのは、調査を依頼した探偵社の社長の"名刺を握った手首"と、実際に 調査を行っていた若手社員の"名刺を握った手首"だったのだ。生身の、人間の、手首―― 宇津木はすぐに探偵社に電話を入れたが、返答は要領を得なかった。 『社長と彼とは、ここ数日、連絡が一切取れない』 『あなたはどこの誰ですか?』 "川澄奈央人"のことを話したのはふたりだけ、そのふたりが行方不明となり、そのふたり のものらしき手首が宇津木の目の前に届けられたこと――。わけがわからなかった。その "川澄"がここまでの危険人物だとは想像だにしていなかった。 宇津木は恐怖にうち震えながら、届けられたもうひとつの封筒に手を伸ばした。封筒の 中身は便箋が1枚だけ入っていた。 『電話を待つ』 それだけだった。手紙の中身は短い文章と、携帯電話と思われる数字の列だけだった。 無意識に宇津木は顔を強ばらせた。 無意識。そう。無意識に、宇津木は自身の防衛本能が「電話しなければ死ぬ」と信号を 発したのを感じた。このメッセージを無視すれば、自分は死ぬ――。必ず、死ぬ。必ず、 殺される。 しばらくためらったあとで、宇津木はデスクの上の携帯電話に手を伸ばした。指が猛烈 に震えていた。 「……あなたは、誰ですか?」 小さな電話を握り締めて言う。 数秒の沈黙があった。それから……耳に無機質で機械的な声が届いた。 『……なぜ、"川澄奈央人"を調べる?』 相手は、何らかの機械で声質を変えているらしかった。 「なぜって……あなたは"川澄奈央人"本人ではないのですか?」 痛いほど強く電話を握り締めて言う。心臓が痛いくらいに高鳴っている。 電話の向こうの相手は、少しだけ困ったような声を出した。 『……"川澄奈央人"は死んでいる……私が殺した……20年以上の、昔だ……』 その声には抑揚がなく、ひどく聞き取りにくかった。 「殺した? 私の知る川澄とは……別人、ということですか?」 宇津木が聞き、電話の相手が『川澄家……3流ジャーナリストのくせに……もう…… あの赤子が……奈央人……殺した……一家全員……始末したはずなのに……』 「……川澄奈央人さんなら、生きていますよ?」 電話の相手が、『それはありえない』と応えた。 「それじゃあ……どういう……」 『そうか……戸籍売買か……そうかそうか……子供の名前だけでも残したか……』 「わけがわからないっ! 私は関係ないぞっ!」 ついに宇津木は叫び声を上げ、自分でも驚くぐらいに体を震わせた。 『……"川澄"は偽名だ……カネで買った戸籍だ……うかつだった……まさか、"その後"の ことで私の平穏が乱されるとは……杞憂で……良かったな? 宇津木……』 電話の向こうで相手が笑った。確かに、笑った。 「……私を、どうする気だ?」 『別に……名だけを名乗るだけなら問題ない……ただ――私のことを知ろうとするな…… 知ろうとするのなら……殺す……お前も、娘も……誰ひとり残さず……死んでもらう』 相手はどことなく、安堵した口調だった。 「……わ、わかった」 助かったと思いながらも、宇津木の声は震えたままだった。 『"川澄奈央人"に伝えろ……"空中庭園"は私のモノだ……庭園も、財宝も、何もかも、 すべて……お前も、川澄ハヤト……川澄ナナ……川澄ハルカ……そして、川澄ナオト、 アイツら家族のように……"庭園の肥やし"になりたくはないだろう? とな』 電話が切れた。 ――――― 「……以上だ。だから――私は計画を極端に早めた。ここには……この名古屋の地には、 もう1秒だって居たくはない……いや、居られないのだ」 宇津木の報告を聞き終わり、呆然と宙を見つめる。……なるほどね。 「……川澄様も、いや――偽名でしたね……できるなら、あなたたち《D》とは金輪際、 関わり合いたくはない……私も、娘を守りたいのだ……」 川澄の反応を待たず、宇津木は松葉杖を脇に回し、振り向かずに歩き出した。呼び止め る気は起きなかった。聞きたいこと、確認したいことは聞き終えた。 そう。川澄は知りたかった、ただそれだけのことだった。 宇津木がカネにモノを言わせて"僕"を調査できる限界――。 僕個人の情報の漏洩具合――。 "川澄奈央人"の戸籍(父親からは浮浪者から買い取ったと聞いていた)のルーツ。 まさか、僕の父親に戸籍を売った後、一家皆殺しにされていたとはね……。 おそらく――川澄の父親は自分以外の家族が殺害された後、しばらくは名古屋の浮浪者 として身を隠すが発見され――何らかの情報の秘匿を口実に始末されたってところか…… 怖いねえ……あー怖い怖い。 怖かった。 怖かったし、恐ろしかった。何より、相手の正体が何も掴めず、性別すらも不明だった。 でも……。 でも……。 《空中庭園》と、その財宝か……イイねえ。最高にワクワクするよ……あはは……。 興味深かった。 そして何より、カネの匂いがした。 莫大で――数えるのもバカバカしくなるくらいのカネの匂い……。 かぐわしく、芳醇で、妖艶で、悪魔的な魅力のある香り……。 「これは、ぜひともご相伴にあずかりたいですねえ……当然、アンタもそう思うだろ?」 興奮に顔を歪めながら、川澄は岩渕の待つ病室へ歩く。 「……僕たち、友達でしょ? なら、手伝ってもらいましょうか……岩渕さん……」 川澄は舌で唇をなめ、静かに微笑む。 どこからか吹く秋風が、川澄のスーツと髪を微かに揺らす……。 了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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