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2011年05月15日
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カテゴリ:シリーズ京歩き

毎年、春と秋に行われている京都の非公開文化財、特別公開。

これに合わせて、この前のGWは、京都の大徳寺に行ってきました。

特に、この大徳寺というお寺は、通常は、一部を除いて一般には公開していないお寺なので、
こうした特別公開の時でないと、なかなか見ることが出来ません。

そこで、今回のお話は、この大徳寺探訪記。
でも、その前に、大徳寺の沿革について、ちょっとお話ししておきましょう。


大徳寺は、創建されたのが鎌倉時代の末。
大燈国師(宗峰妙超)という僧が開いた臨済宗の禅寺であります。

一休禅師や沢庵和尚など、幾多の名僧を輩出したことでも知られ、
また、千利休が参禅していたことなどもあって、
茶の湯とのつながりが、とても深く、
茶の湯に関連した名亭や文化財を多く所有していることも、特徴的であります。

ここが、中世以降の日本の文化・芸術に、大きな影響を与え続けてきた寺院
であったことは間違いなく、
大徳寺全体では、20点近くの国宝を所蔵していて、
ちょっとした美術館のような存在ではあります。

しかしながら、それも原則は非公開。
それが今回、そのほんの一部ではありますが、特別公開によって見ることが出来ます。


それでは、大徳寺をちょっと歩いてみましょう。

まず、大徳寺の三門。通称・金毛閣です。



金毛閣.



桃山時代に、千利休を施主として再建された門で、
この大徳寺を象徴する建物であるといえます。

この楼上に、雪駄履きの利休像を置いたことから、
利休不遜であるとして、秀吉の逆鱗を招き、
それが利休切腹の原因となったという話でも有名です。



大徳寺法堂



金毛閣の後ろには、仏殿・法堂が続きます。

仏殿は京都の豪商が、法堂は関東の大名が、それぞれ寄進して、
江戸初期に再建されたものです。


それに続く建物が、庫裏と方丈。

今回は、この内部が特別公開されています。



大徳寺方丈



中に入ると、学生アルバイトとおぼしきガイドさん数名が、
色々な文化財の説明をしてくれました。

内部は、もちろん、写真撮影厳禁です。

この方丈での見どころといえば、
何といっても、国宝の唐門。

華麗な彫刻が散りばめられた四脚門で、
桃山時代を代表する唐門というだけあって、とても美しいです。

他には、国の特別名勝にも指定されている枯山水の庭園や
狩野探幽の襖絵など。

ガイドさんから、その由来や見どころなどの話を聞きながら
桃山美の世界に浸れました。


と、ここまでが、大徳寺の本寺・中心伽藍についてでありますが、
大徳寺の敷地内には、他にも、多くの子院があります。

禅宗では、この子院のことを、特に”塔頭”(たっちゅう)という言い方をするのですが、
大徳寺には、これらの塔頭寺院が、20カ寺以上あり、
実は、大徳寺本寺より、これらの塔頭寺院の方に、
多くの文化財・見どころがあるのです。

こちらも、通常は一部を除き非公開ですから、
今回の特別公開というのは、中に入って見ることが出来る数少ないチャンス
ということになります。


今回、訪れた特別公開の塔頭寺院は、

真珠庵
黄梅院  の2ヶ所。

それぞれに、独自の歴史と文化財を持った寺院であります。


まずは、真珠庵。



真珠庵



真珠庵というのは、”一休さん”ゆかりの寺院。
一休禅師を慕い、その高弟たちが開いた庵であります。

方丈には、一休の書が掲げられ、
又、その奥には一休の遺髪を埋め込んだという一休像が安置されています。
そして、部屋の中央には、真珠庵の命名のもとになったともいう真珠で作られた天蓋。

他にも、長谷川等伯の襖絵や茶室・庭玉軒などを見ることが出来ました。



続いて、次は黄梅院。



黄梅院



元々は、織田信長が父・信秀の菩提を弔うために建立したという寺院です。

千利休が作ったとされる直中庭という庭園が広がり、
そこには、加藤清正が持ち帰ったとされる、朝鮮灯篭などもありました。

他に、毛利家のお抱え絵師であった雲谷等顔という絵師が描いた襖絵等。


普段は立ち入ることが出来ないこれらの寺院で、絵画や書院・茶室など、
茶の湯を中心とした秘蔵の文化財を満喫することが出来ました。



大徳寺参道



ところで、
この大徳寺を訪ねて感じることは、その清潔感と潔癖さ。

境内の小径などは、常に掃き清められているのか、
とても整然としていて、清潔感を感じます。

さらに、もうひとつは、賽銭箱のような類のものが、一切ないこと。

これは、観光客を受け入れていないということと期を一にするものでありますが、
そこからは、厳しく自己の悟境を掘り下げていくという、
大徳寺の禅風をうかがうことが出来ます。



拝観謝絶



世俗から一線を画して、自らの禅風を貫いていこうとしている大徳寺。

しかし、このことは、同時に、その分収入が入ってこないということでもあり、
そうした中で、これだけの寺院を維持していくのは、
実際には大変なことなのだと思います。

世俗的な欲望を排して、清貧に耐え、修行に専念する。
そこからは、大徳寺の僧たちのそうした姿勢が垣間見えるようにさえ感じます。

実際、大徳寺塔頭の塔主たちの中には、
寺院が観光化していくことに対して、痛烈に批判している人も多いと聞きます。

しかし、その反面、
それぞれの塔頭寺院においては、自主性が守られているという部分もあり、
少数派ではありますが、逆に、積極的に観光客を受け入れようとしている塔頭寺院も
中にはあります。

現在、大徳寺の中で、拝観料をとり、普段から一般に公開している塔頭寺院というのは4カ寺。

いわば、これら”大徳寺の中の観光寺院”の方も、今回訪ねてみたのですが、
この続きは、また次回です。






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最終更新日  2011年05月27日 22時28分22秒
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