カテゴリ:シリーズ京歩き
京都御所を包み込むようにして、外周に広がる京都御苑。 その広大な敷地は、緑あふれる公園となっていて、 散策やジョギング、行楽などに訪ねる人も多く、 様々な野鳥や昆虫、四季の花々などに出会える自然の宝庫でもあります。 京都御所が、宮内庁の管轄になっているのに対して、 その外側の御苑を管轄しているのは環境省。 時折、自然観察会のような企画や催しも行われているのだそうです。 このところ、私の中では、京都御所についての関心が高まっているということもあって、 何度か、京都御苑にも足を運んでいるのですが、 京都御苑というのも、歩いていると、意外なところに見どころを見つけたりするところです。 そこで今回は、京都御苑のあれこれと題して、 京都御苑の中の見どころを、いくつかご紹介したいと思います。 京都御所の正門ともいえる門が、この建礼門です。 この門を入ると、すぐのところに承明門と紫宸殿があります。 ただ、この門は天皇陛下だけしか通ることができないということになっていて、 天皇陛下がこられた時にしか、開けられることがないのだそうです。 また、5月の葵祭と10月の時代祭の時には、 毎年、この建礼門の前が祭り行列の出発地点となります。 その時期になると、この門前には臨時の店などが立ち並び、多くの人で賑わいます。 京都御苑の中には「猿ケ辻」と呼ばれている場所があります。 この金網の中には、何が・・・。 この金網の中には、木彫りの猿が閉じ込められています。 これは、松平定信が御所の再建をしていた時、 御所の北東にあたる角が、鬼門の方角になるということで、 木彫りの猿を、守り神として、ここに祀ったもの。 しかし、その後、この猿が夜な夜な大声を出して、 通りを行く人に悪さをするという噂が広まり、 とうとう金網の中に入れて、閉じ込めてしまうことになりました。 この金網の中の猿には、そうした伝説が伝わっています。 この小さな川は「出水の小川」と呼ばれています。 元々は「御所水道」といって、 琵琶湖疏水が開かれた時に、御所の防火のための水路として、 疏水からの水が、ここまで引かれていました。 今は、その「御所水道」も廃止されて、現在、ここには井戸水が流されています。 夏には、水とふれあえる遊び場となり、多くの親子連れがここを訪れます。 京都御苑の中には、神社もいくつかあります。 この白雲神社は、元々西園寺家の邸宅の中にあったもの。 お公家さんは、東京に移っても、 そこに祀られていた神社は、そのまま残されているんですね。 この神社の、ご神体として祀られているのが「妙音弁財天坐像」。 琵琶を演奏している弁財天としては、日本のルーツであるとも云われていて、 国の重要文化財に指定されているのだそうです。 清らかな神水が湧き出ているということで、ここに水を汲みに来る人も多く、 京都では「御所の弁天さん」として親しまれている神社なのだそうです。 こちらの神社は、宗像神社。 京都御所の南西にあって、裏鬼門を守るために創建された神社なのだそうです。 東京遷都により、お公家さん達が東京に移っていったあと、 その屋敷は、ことごとく取り壊されて、京都御苑という公園になったのですが、 それでも、わずかに、その屋敷の名残も残されています。 その代表とも云えるのが、九条家の茶室であった「捨翠亭」(しゅうすいてい)という建物です。 九条池という広い池を中心とした庭の中に建てられた2層の建物で、 九条家が別邸として使っていたものでありました。 江戸時代・後期の建物ということなのですが、 公家の茶室といった風情が残されていて、 この建物が、また、趣きがあります。 1階と2階のそれぞれに、九条池が眺められるよう縁台が用意されていて、 ここから眺める九条池の景色は、最高です。 いつまでも眺めていたいと思えるほどに、 とても寛げる、おすすめの場所です。 九条池のほとりには、神社もあります。 厳島神社といいます。 平清盛がお母さん(祇園女御)のために安芸の厳島神社を勧請したという 由緒を持つ神社で、九条家の鎮守社となっていたものでありました。 京都御苑というのは、 広いけれども特に何もない公園というように、以前は思っていたのですが、 こうして歩いてみると、とても多くの見どころがあるということに気づかされます。 これでも、御苑の中の全てを歩いているわけではないので、 他にも、意外な見どころがあるのかも知れません。 京都御苑というのは、色々なところを歩いてみるだけでも、 半日くらいは楽しめそうなところであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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