312522 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

本だけ日記。

本だけ日記。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.08.19
XML
テーマ:お勧めの本(7252)

楢山節考改版

■『楢山節考』(新潮文庫)所収の同名作品を
何年かぶりに再読した。やはり傑作。
あらすじはあまりにも有名なので書くまでもないだろう。

なんといっても、主人公おりんの凛とした姿勢が
清々しくも、また凄絶でもある。

一番光る個所はここだろう。

  そのときわしは山へ行って、
  新しい筵の上に、
  きれいな根性で座っているのだ。


■実はここに至る地の文章は、三人称で書かれている。
そして、この個所(小説の中間あたり)で、
すっとおりんの心のなかに入り込み、
突如として、一人称(間接話法だが)で書かれる。
この効果は絶大だった。

これ以降は再び三人称で描かれていく。

■おりんの決然とした姿とは対照的に、
息子に谷底に蹴り落とされる銭屋の又やんの存在が、
やや図式的といえば図式的にも感じるが、
田舎の極貧生活のなかではさもありなん、と思わせる。

■つねに「死」の瞬間を意識しながら生きてきた老人、
とりわけおりんの心情を思うと、
息子・辰平に戻ってこられても、かえって辛いであろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.08.19 10:29:23
コメント(0) | コメントを書く
[読書:日本文学&小説] カテゴリの最新記事


PR

プロフィール

friedmund

friedmund

カレンダー

カテゴリ

日記/記事の投稿

フリーページ

バックナンバー

2024.06

コメント新着

東圭吾@ 阿刀田さんの解説 今秋(2013秋)ドラマ化されるとの情報を…

© Rakuten Group, Inc.