長らく東京に住んでいると大仏と言えば『鎌倉の大仏』を連鎖反応的に思い出すけれども、上野にも大仏があるとはつい先日まで知らなかった。
ちなみにWikipedia(ウィキペディア)によると『上野大仏（うえのだいぶつ）、は現在の東京都台東区上野恩賜公園内に造立されていた大仏。像高約6メートルの釈迦如来坐像だった。度重なる罹災により損壊し、現在では顔面部のみがレリーフとして保存されている。所在地は上野精養軒に隣接する大仏山と呼ばれる丘の上。パゴダ様式の祈願塔と志納所（現在は閉鎖)が併設されている。』とのこと。
上野公園は都内有数の花見宴会のスポット。晴れた日の午後ともなると平日でさえ陣取り合戦よろしく背広姿の先発隊がビニールシート持参で出没する地域だ。活況を呈してくると歩き進むのもさあ大変という精養軒近くの大仏山。ご覧の通り赤旗をなびかせながら、ここに大仏在りと高らかに宣伝している。
見ると現存するのは顔面部のみだが、そのあまりの大きさが在りし日の姿を彷彿とさせ、全長6mの釈迦如来坐像が屹立していた時代へと誘(いざな)うかのようだ。数々の苦難の道を乗り越え、いまなお静謐(せいひつ)な空気が漂う大仏を見ていると、合格祈願の受験生たちが訪れるのも自然の理なのかもしれない。
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