源氏物語〔2帖帚木 ははきぎ1〕
源氏物語〔2帖帚木 ははきぎ1〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語2帖帚木の研鑽」を公開してます。源氏物語2帖帚木(ははきぎ)を研鑽。桐壺帝が命名した光源氏、すばらしい名で、青春を盛り上げてできたような人と想像できる。また自由奔放な好色生活が想像されるが、実際はそれよりずっと質素な心持ちの青年だった。その上恋愛という一つのことで後世へ自分が誤って伝えられるようになってはと、異性との交際を極力内輪にしていたのであるが、ここに書く話のような事が伝わっているのは世間のうわさからおもしろがって広まる。自重してまじめな風体の源氏は恋愛風流などには疎かった。好色小説の中の交野の少将(中納言なる人物が交野の鷹狩りが縁で大領の娘と契るが、以後訪れないため娘は投身自殺をはかるという物語)には笑われていたであろうと思われる。中将時代にはおもに宮中の宿直所に暮らしていた時、たまにしか舅の左大臣家へ行かないので、左大臣は光源氏が別に恋人を持っているかのような疑いを受けていた。舅の左大臣は世間にざらにあるような好色男の生活はきらいであった。まれには風変わりな恋をして、たやすい相手でない人に心を打ち込んだりする欠点はあった。梅雨のころ、帝の謹慎日が幾日かあって、帝の傍に仕える大臣は家へも帰らずに皆宿直する。こんな日が続いて、源氏の御所住まいが長くなった。大臣家ではこうして途絶えの多い婿君を恨めしくは思っていたが、やはり衣服その他贅沢を尽くした新調品を御所の桐壼へ運ぶのに飽きることはなかった。