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碁法の谷の庵にて

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2005年06月11日
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カテゴリ:法律いろいろ
そのものを出すと著作権上問題がありそうなので改変して。

「Aは被害者Bを車で故意にひき殺したとして殺人罪で起訴されたが、裁判をしていて裁判所はBをひき殺したのは事実だが故意ではなく業務上過失だったと言う心証を得た。
裁判所は業務上過失致死罪で有罪判決を下すことができるか」


おそらく、世間的な感覚では「えっ、何かいけないの?」というイメージを持つ人が多数派なのではなかろうか。あるいは、問題として出されない限り何がまずいのか意識できない人が多いと思われる。
しかし法律家はおそらく100人中98人くらいは「そりゃまずい」とはっきり認識する。


裁判では、裁かれる被告人の言い分をきちんと聞かなければならないというのが大原則である。
もしかするとアリバイがあるかもしれない。正当防衛だったかもしれない。不可抗力だったかもしれない。本当に彼が有罪だったかどうかと言うのを認定するのは、けっこう大変な作業なのである。
そして、被告人の言い分はどんな事件かによってけっこうかわってくる。同じことでも故意なら「動機がない、アリバイがある」とかが言い分になるし、過失ならアリバイの他に「不可抗力だ」と言うような言い分が加わることが多い。

もうお分かりだろう。言い分が加わる可能性がある以上きちんと言い分を聞く機会を被告人に与えなければダメだ、ということ。


この発想は、刑事裁判の基本となる考え方で非常に重要である。「○○がやったに決まっているんだからさっさと監獄にぶち込むか死刑にしてしまえ」と言うのはとんでもない短絡思考だと言うことである。

私は、刑事訴訟法における裁判法は、この思考がきちんと身につきさえすれば細かい制度は適当に勉強すれば例え司法試験であっても取るに足らないとすら思っている。


にもかかわらず相当悪戦苦闘している私って一体…





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最終更新日  2005年06月11日 22時41分57秒
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