碁法の谷の庵にて

今日で選手決定リーグも４局目、相手は新人Kくんである。
高校時代から学生十傑戦に出場するなどしていたので名前は知っていた。世界アマで私を破った元高校４位（こちら参照）のS・Sさんを別のところで倒しているし、その実力は本物である。夏合宿のときにこのブログを教えたのだが、見に来てくれたどころかなんとここをブックマークしてくれているという。嬉しいことだ。


碁の方であるが、夏合宿で当たったときには私が黒番で手玉に取ったと言っていい内容で快勝。また黒番だったので何とかなるかなあ・・・
などと言う思考が通用するほど彼は甘くない。



ジリジリっとした序盤から黒が割り打って戦闘開始。少々形が悪いものの切断で攻める…のだがどうも今日は夏合宿のときと違って冴えがない。すぐにヒヨリがでて、形の悪い切断が功を奏さず、白の厚みと転化しほとんど何の意味もなくなってしまう。勢いでポン抜いたもののこれはさして働きそうでもなく早くも大変な形勢に。

ここで、厚みをけん制するべく放った小目に小ゲイマカカリされたのにケイマボウシをかけたところから激戦が開始される。隅にもぐりこませれば中央の白の厚みをうまく消しており、体勢を立て直すことができるというのが一応の目論見。向こうも言いなりになるのも癪とばかりに反発。黒はおとなしく受けて別段悪いわけでもなさそうだったが、こういうときに言うことを聞くのが大嫌いな私は更なる反発で決戦に討って出る。
コウ筋と薄みがあるのでそこで採算があるつもりだったが、結局援軍の存在が白に有利に働き、うまく行かなかった。それどころか中央の厚みが特大の地に転化してしまい、更に味残りで形勢が余計に悪化。しかもここで楽観が響き勝負手を飛ばせず、普通に寄せてしまう。いまさら落ち着くなって。
最後は投げたが、最後は盤面でいい勝負か少し白が厚いかだっただろうか。



あちゃー、この３敗目は痛いぞ。
残りは一応４局。その中には学生棋戦入賞者の姿もあるし、前途有望な新一年の顔も見える。３勝１敗で他の選手の結果待ちに期待するか、最後の力とばかりに全勝できれば、まだ何とかなるか。いずれにせよ、厳しい情勢になった。

ましかし、若い選手たちと打ちたいという参加目的からすれば、今日の碁が打てたことはよかったかもしれない。





新人王戦と名人戦についてはまた明日。