カテゴリ:真空管
フランスSIFのGO20です。
Gの後ろはゼロではなくオーらしく、ジーオーニジュウと私は呼ぶことにします。 今まで観たことが無い謎球です。 フランスのSIF社は、真空管黎明期から主に業務用真空管を製造していたフランスでは最古級のメーカーだそうです。 このSIF社の情報(設立や沿革などの企業情報)もネット上では見かけません。 謎多きメーカー、そして真空管ですね。 このGO20の形状ですが、 一般的なナス型とは違い、上が少し潰れた逆三角形のシルエットです。 トップには「TUBE EMETTEUR 」「GO20」「12V 400V」 TUBE EMETTEURとは英語でトランスミッターチューブつまり送信管です。 比較的低い周波数の送信や音声増幅などに使われたのでしょう。 そして私の好きなダブルヒーターです。 結構明るいです。 傍熱管の黎明期は直熱管の平たいプレートの中にフィラメント配列に似たようにカソードを配列したのでしょう。 時代が進むにつれ、傍熱管は1本のカソードを中心に丸や楕円、或いは多角形の筒状のプレートになってゆきました。 プレート損失は不明ですが、とりあえず型番から20Wと仮定しました。 因みにソケットベースはB5。センターピンがカソードになっていますので、直熱四極菅などセンターピンにスクリーングリッドを割り当てているアンプとは共存できません。 ではetracerで測定してゆきましょう。 1本目 Ef=12V、If=1.09A Ep=400VでEg=-40Vのとき、 Ip=35.63mA rp=2503Ω gm=2665μS μ=6.7V/V 2本目 Ef=12V、If=1.04A Ep=400VでEg=-40Vのとき、 Ip=35.01mA rp=3051Ω gm=2091μS μ=6.4V/V 1本目は随分と高圧側が浮きますね。 私の中では「もう少しEhを絞っても使えるサイン」だと思ってます。(笑) そこでヒーター電圧を10Vに絞って測定してみます。 1本目 Ef=10V、If=0.99A Ep=400VでEg=-38V(Ef=12Vの時のIpに近づけるようEgを設定)のとき、 Ip=34.47mA rp=2729Ω gm=2706μS μ=7.4V/V 2本目 Ef=10V、If=0.93A Ep=400VでEg=-38V(Ef=12Vの時のIpに近づけるようEgを設定)のとき、 Ip=34.07mA rp=3223Ω gm=2117μS μ=6.8V/V Ef=10Vでも十分な性能が出ることがわかりました。 因みに、ヒーター電圧を7.5Vに絞ってみましたが、Ipカーブがたるんでしまい、実用的ではありませんでした。 今回の試験から、GO20は、 ・ヒーターは10Vまで絞っても実用になりそう。 ・直線性はお世辞にも良いとはいえない。(いいんです!個性です!) ・10kΩのトランスが最適負荷。出力を欲張らないなら12~14kΩのほうが良さそう。 ということがわかりました。 謎球最高! \(^o^)/ なかなかレアで市場に現れない真空管ですが、もし見かけたら購入してみてください。 そして今回測定したデータを参考にして頂ければと思います。 フランスのガリア帝国の古代遺跡を発掘したらGO20が1000本くらい出てくるといいんですけどね..。(いや、時代が違う) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 14, 2023 07:15:08 AM
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