カテゴリ:真空管
今回から3回にわたり、欧州のプレート損失75Wクラス真空管を紹介してゆきます。
第一回目は、PHILIPSのMC1/60という真空管です。 E3Dと印字されており、もしこれが世代を表すのであれば比較的後期の製造かなとも思えますね。 このような箱に入っていました。 こちらはオークションで個人ユーザーから予備でお持ちの物譲っていただきました。。 ヤフオクは玉石混淆なので、私もそれに漏れず過去に結構ハズレを引いています。(3000円前後のジャンク球ですが) 今回は大変高価なものなので悩みましたが、丁寧にストックしてあった物らしいので、思い切って落札しました。(いくら丁寧にストックしてあっても真空度の低下などが起きることがあります) 運良く、大変コンディションの良い物に出会えました。 しっかりした造りです。 フィラメントは3箇所で吊ってあります。 因みに灯が入っても... ほとんどわかりません。 プレートの横にシリアル番号が打ってありました。 規格はFrankさんの資料室のMC1/60規格を参照願います。 4Vの3.3Aのフィラメント、プレート損失75Wです。 ちょうど211や845くらいでしょうか。 製作記事ですとFred Musset氏の「MC1/60, E60M, TM100 SE amplifier - Part 1 & 2」の記事があります。 では、etracerにかけてみましょう。 Ep=700VでIp=80mAになるところで測定します。 なお、フィラメント電圧は4.0Vと3.8Vの2種類で測定します。 【1本目】S/N:14601.3 Ef=4.0V, If=3.23A Ep=700VでEg=-35.6Vのとき、 Ip=79.81mA rp=1839Ω gm=6922μS μ=12.7V/V Ef=3.8V, If=3.14A Ep=700VでEg=-35.6のとき、 Ip=79.68mA rp=1840Ω gm=6875μS μ=12.6V/V 【2本目】S/N:14699.3 Ef=4.0V, If=3.21A Ep=700VでEg=-35.2のとき、 Ip=79.80mA rp=1939Ω gm=6471μS μ=12.5V/V Ef=3.8V, If=3.09A Ep=700VでEg=35.2Vのとき、 Ip=79.45mA rp=1954Ω gm=6403μS μ=12.5V/V 綺麗なカーブです。 rpは約1.9kΩなので、5~7kΩが最適であるとわかります。 手持ちに8kΩ(カットコア)と9kΩ(Rコア)のトランスがあるので、どちらかを使おうかと思います。 gmが高いですね。高感度な欧州管らしい出力管です。 実は、そのほかの手持ちにフランスのSFRのE.60MとMAZDAの3X75B(TM100)があります。 (とあるセラーから直接取引で購入しました) MC1/60、E.60M、3X75Bで、まさに三羽烏といえます。 3本とも規格はほぼ同じですので、共通のアンプを作らねばと思っています。 そのほか、フィラメント10VでTUNGSRAMのOP70/1000という真空管も手持ちにありますので後々紹介しようと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 14, 2023 03:21:09 PM
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