カテゴリ:真空管
幸運にも英国MAZDAのP.650(P650)という真空管を3本入手しました。(本当に幸運です)
管面トップにプリントがあります。 P.650 BVA MAZDA MADA IN ENGLAND 造りが綺麗ですね。 ニッケルプレートなので、見た目よりプレート損失は低い(せいぜい10から12W)と思われます。 フィラメントは2箇所を吊ったM型です。 規格の詳細はあまり見かけません。 The Valve MuseouのP650規格や、ひま人の館の「欧州の真空管(PX4属)」で紹介されています。 ここではPX4族として紹介されていますが、素のニッケルプレートなので見た目よりずっとプレート損失が小さいはずです。(たぶん10~12W) 測定結果でも、PX4のようにrpは低いわけでもないです。 なので、どちらかといえばRE604に近いように思います。 P.650は、一応規格はあるもののIpカーブなどの詳細は不明なので、私の中では謎球に認定です。(笑) 規格のフィラメント6V0.5Aと出力1.1W、プレートは結構大きいのですが、裸のニッケルプレートであるという事から、プレート損失は12W程度と仮定して測定することにしました。(いやもっと小さいかも) Epは規格の200Vで。 フィラメント電圧は6.0Vと5.8Vで測定しました。 【1本目】 Ef=6.0V, If=0.51A Ep=200VでEg=40.1Vのとき、 Ip=22.02mA rp=1660Ω gm=1952μS μ=3.2V/V Ef=5.8V, If=0.49A Ep=200VでEg=40.1Vのとき、 Ip=21.96mA rp=1680Ω gm=1937μS μ=3.3V/V 【2本目】 Ef=6.0V, If=0.49A Ep=200VでEg=39.7Vのとき、 Ip=22.03mA rp=1662Ω gm=2016μS μ=3.4V/V Ef=5.8V, If=0.47A Ep=200VでEg=39.7Vのとき、 Ip=21.96mA rp=1664Ω gm=2010μS μ=3.3V/V 【3本目】 Ef=6.0V, If=0.49A Ep=200VでEg=37.2Vのとき、 Ip=22.02mA rp=1747Ω gm=1942μS μ=3.4V/V Ef=5.8V, If=0.47A Ep=200VでEg=37.2Vのとき、 Ip=21.82mA rp=1763Ω gm=1902μS μ=3.4V/V 規格の200V22mA時rp1.3kΩからは程遠い1.66kΩ~1.76kΩですしgmも低い(特に3本目は疲れているかも)ですが、Ip特性は美しいカーブを描いています。低電圧大電流側でのタレもありません。 古い球ですので、これくらい性能が出ていれば私には十分です。 出力を欲張らず7kΩ負荷で0.6W、10kΩでも0.4Wは出ます。高能率のスピーカーでフラウトトラヴェルソやリュートの音楽などを楽しむならOKですね。 実際は200Vの30~40mA(プレート損失6~8Wでの動作)くらいまでは大丈夫かと思います。 試しに1本目と2本目のEp=200VのIp=40mA(プレート損失8W動作)で測定してみました。(Ef=6.0V) 【1本目】 Ep=200VでEg=31.9Vのとき、 Ip=40.03mA rp=1348Ω gm=2444μS μ=3.3V/V 【2本目】 Ep=200VでEg=31.9Vのとき、 Ip=39.94mA rp=1306Ω gm=2545μS μ=3.3V/V この2本は良く揃ってますね。 Ip40mAくらい流すとrpもgmも規格に近い感じになり、増幅動作もIpカーブの綺麗なところを使えるので歪率も良くなります。 40mAも流していますが、Epは200Vなので8W程度です。念のためもう少し少ない電流が良いかもしれませんね。 負荷はパワーより美音を求めるなら5kΩより7kΩが最適と思われます。 皆さんももしP.650を見かけたら是非購入して可愛がってあげてください。 とても魅力的な真空管だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 21, 2023 07:03:28 PM
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