カテゴリ:真空管
PHILIPSのPC05/15という真空管を紹介します。
![]() 表側はメーカー名、型番、製造番号が印字され、裏側はイタリア税関シールが貼ってあります。 【1本目】 ![]() PHILIPS PC05/15 X14751(頭がXかどうかは読み取れません) ![]() MINISTERO DELLE FINANZE 87090 14 APR 1941 ESONERO TASSA RADIO 【2本目】 ![]() PHILIPS PC05/15 X17663(頭がXかどうかは読み取れません) ![]() MINISTERO DELLE FINANZE 92697 28 NOV 1941 ESONERO TASSA RADIO 1941年にイタリアのミラノ税関を通ったということでしょうか...。 ![]() 同じ年代でもシールの色が異なるので、もしかしたら月或いは期ごとに色を変えているのかもしれませんね。 PC05/15は送信用途の五極菅です。 フィラメントは2点吊り。 ![]() 下側は見えにくいですね。 ![]() 規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「PC05/15」規格が参考になります。 プレート損失15W、スクリーングリッド損失5W コントロールグリッドはプラス領域まで振ることができます。 ピン配置は、プレートがトップ、スクリーングリッドとサプレッサーグリッドが追加される以外は、コントロールグリッドとフィラメントはAD1と共通で8番はNCですので、配線次第ではAD1と共有可能です。 フィラメントを点灯。 ![]() 欧州らしい仄暗い光りかたです。 etracerで特性を測定しましょう。 ![]() 230Vで45mAたっぷり流す感じでみてゆきます。 サプレッサーグリッドをGND電位にした通常の三結と、サプレッサーグリッドも積極的に振って使う三結の2種類を試してみます。 G2電圧230Vで五結特性も見ます。 【1本目】Ef=4.0V, If=1.02A 三結(P+G2) ![]() Ep=230V Eg1=-37.1V Ip+Ig2=45.01mA Ig2=2.58mA rp=1737Ω gm=1752μS μ=3.0V/V 三結(P+G2+G3) ![]() Ep=230V Eg1=-58.3V Ip+Ig2+Ig3=45.20mA Ig2+Ig3=5.31mA rp=1374Ω gm=1743μS μ=2.4V/V 五結(Eg2=230V) ![]() Ep=230V Eg1=-35.5V Ip=45.11mA Ig2=2.89mA rp=19720Ω gm=1623μS μ=32.0V/V 【2本目】Ef=4.0V, If=1.06A 三結(P+G2) ![]() Ep=230V Eg1=-41.9V Ip+Ig2=45.13mA Ig2=2.02mA rp=1646Ω gm=1750μS μ=2.9V/V 三結(P+G2+G3) ![]() Ep=230V Eg1=-60.6V Ip+Ig2+Ig3=45.17mA Ig2+Ig3=5.57mA rp=1347Ω gm=1738μS μ=2.3V/V 五結(Eg2=230V) ![]() Ep=230V Eg1=-40.7V Ip=45.17mA Ig2=2.14mA rp=23349Ω gm=1662μS μ=38.8V/V 一目見て直線性が良いと感じました。 三結では勿論のこと、五結でEp=230V,Eg2=230Vの45mAで1.1Wほど出したとして2%台、フルスイング3W以上でも4%少々です。 これはあまり感度(gm)が高くないのと関係しそうな気もしています。(そういう気がするだけですが...) G3も使用した三結は大きな効果があり、rpが低くなり使いやすくなります。 出力も1Wは出ます。 AD1用アンプでの共有化は、この接続が最適かもしれません。 それでもVALVO AD1やLOEWE OPTA AD1のrp800Ωの倍近いので、全く同じとはいきませんが、バイアス抵抗とトランスのタップで3.5kΩ,5kΩあたりが切替えられるアンプなら、うまくいきそうですね。 ただ、サイドコンタクトソケットは抜き差しが困難なのが一番の難点です。中国製のソケットはピンがタッチするところを加工しないとキツイと思います。 中部音響研究所「中国製サイド・コンタクト・ソケットの改造」を参考にすると良いかもしれませんん。 もしくは、あらかじめサイドコンタクトからB4(UF4)ピンに変換する専用アダプタを作って、挿したままにするとか..。 開発当時は抜けにくさを重視したと思われるサイドコンタクトソケットですが、球ころがし全盛の現代ではそれが仇となるわけです。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 30, 2023 11:32:21 PM
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