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カテゴリ:会計
金曜日の日本経済新聞に、JAFCOが今期からファンドを連結しない方式に切り替えると表明した、との記事が出ていました。
*** 7月11日(金)の日本経済新聞より抜粋 *** ベンチャーキャピタル(VC)が運営するファンドの決算処理方法を巡る議論が活発になってきた。大手VCのジャフコが業界標準となっているファンド連結型の決算方式を見直し、2009年3月期からファンドを連結しない方式に切り替えると表明したからだ。同社の動きをきっかけに既存のVC決算の問題点が浮かび上がっている。 VC各社は06年秋に企業会計基準委員会が公表した新ルールに基づき、運営するファンドを子会社として連結する新方式を事実上、義務付けられた。 : 中略 : 従来方式でのVCの収入はファンドから受け取る管理報酬とファンドの株式売却収入が二本柱。株式売却による収入や利益はファンドへの出資割合に応じて売上高や利益に計上する。 だが新方式では管理報酬を子会社(ファンド)との内部取引として扱い、売上高に計上しない。一方で株式売却収入による収入は全額を売上高に計上する。VCの出資比率が3割程度しかなくても、外部出資者の損益はVCの営業損益に全額反映されることになる。 最終損益の段階では自社の持分のみが反映されるが、売上高や営業利益を見ても「ほとんど参考にならない」(国内証券アナリスト)という問題を新方式は抱えている。 *** 抜粋終了 *** これは前回のブログで、出資割合が低いにもかかわらず、影響力基準でSPCを連結させることに対して、愚痴った件と同じです。 VCに限らず、不動産系企業などが利用しているSPCにも該当します。 SPCを連結することによる影響については、SPC連結化の影響をご参照ください。 余計なものを連結させたせいで、事業実態がわかりにくくなったと思います。 そもそもこのルールができたきっかけは、ライブドア事件でファンドを悪用したため、ファンドの透明性を高める事を目的として、連結化を義務付けたものです。 透明性を高めるために情報開示を進めること自体は良いことだと思いますが、連結化してしまってはかえって実態が見えにくくなります。 目的は正しいのですが、連結化という手段は間違っていると思います。 何でもごちゃ混ぜに連結すれば良いというものではありません。ファンドやSPCは、連結化以外の方法で情報開示すべきだと思います。 JAFCOの件をきっかけに、投資家にとってわかりやすい開示方法に改善されることを望みます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.13 19:03:12
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