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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2015年05月24日
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2015年3月
30日
 正午すぎ、市役所より、介護認定の件で電話が有り、認定調査を4月8日に行うこととなった。
 午後6時前、A病院より電話が有り、父の容態が急変し危篤状態とのことであった。数時間前に母が面会した折には、酸素マスクをしているものの、それなりに反応を示して調子は良さそうだったらしいが、心筋梗塞なり心臓ブロックなり、今度は循環器の方に問題が生じたのかもしれない。
 ともあれ、タクシーを呼び、母を連れて病院へ行く。遅々としたタクシーに苛立ちつつも、6時30分前に到着。元の病室にはいなかったので、一階下の看護師詰所で移動先を訪ね、そちらへ行く。病室には誰もおらず、ベッドに父がいたが、心電図は平らで『0』が表示されていた。
 しばらくして看護師さんが来て説明をしていたが、電話をしてからも息が浅くなり続け、10分すぎ頃には亡くなったらしい。さらにしばらくして、若いお医者さんが来て、聴診器を胸に当て、瞳孔にライトを当てる、一連のセレモニーの後、それが終わった時刻を死亡時刻のように告げて去っていった。・・・形式とは言え、意味のないことをするものだと思った。
 この後、葬儀屋さんを自分で呼ぶように言われたが、当然、そのような用意はしていない。私は、介護認定や養護老人ホームや生き続ける事態に備えた準備をしており、死後の準備は手付かずだったのだ。ともあれ、看護師さんたちが遺体のお清め作業をするので、待合に移動し、姉や親戚に電話連絡をはじめた。また、母が、最寄りの葬儀屋さんの会員という名の囲い込みをされていたはずなので、その電話番号を看護師さんに調べて頂いて(電話帳もないと言うのだ・・・)、そちらに連絡し、葬儀屋さんの式場へ遺体を搬送することにして、しばらくその到着を待った。 7時45分頃、葬儀屋さんが来たので、遺体とともに葬儀屋さんの式場へ移り、その半ば駐車場のようなところで、今後の打ち合わせを行った。遺体など燃やして燃え残りの遺灰を墓の下に納めるだけのことだが、燃やすにしても火葬場の順番があり、それが決まれば葬式があり・・・、葬式仏教の破戒坊主に戒名を考えさせて、お経を読ませねばならず、その他もろもろ大変なのだ。
 宗派は何かと尋ねられたので、引っ越す前は臨済宗と余計な言い方をしてしまうと、なぜか天台宗を勧めてきた。「天台宗はいろいろな宗派の元ですから、特に宗派のない方にはお勧めしてます」だそうな。しかし、天台宗系と言えるのは、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗くらいだろう。それも宗祖が比叡山で修行しただけで、むしろ対立は根深いとも言える。特に日蓮宗は、「一緒にすんな!」ではなかろうか?
 ともあれ、仏壇にお釈迦様の木造があるので、今度は「臨済宗」とだけ言った。通夜は面倒なので葬式だけの一日葬とし、「オプション」はことごとく却下する。例えば、湯灌。火葬場の都合で4日間ドライアイス漬けになるので、今さら丁寧にしても仕方があるまい。冷やしたり温めたり、冷静に考えれば奇妙なことになるだけのように思う。また、棺桶で首だけ出している状況になるはずなので、白装束にしても無意味だ。それに、祭壇サイドの供花など祭壇に花はたくさんあるのだから、いらないだろう。そもそも、『喪主様』がそのようなことをする方が奇妙に思える。そして、「お棺の中に入れるものですが・・・」と説明を始めたので、「麻雀パイ入れてもいいですか?」と間髪を入れずに尋ねたら、案外にも難色を示した。火葬場の罐(かま)が痛むと言うのだ。しかし、麻雀パイなどは親指大のプラスチック製品1個である。そんなもので、どのような影響があると思っているのだろうか?
 この、ヌボ~と薄暗い顔をした葬儀屋氏は、湯灌の話の際に映画『おくりびと』を例に出していたが、物静かに丁寧なのと、薄暗く陰気なのは、まるで違うことが理解できていない様子であった。この際、「石油製品じゃねえか、そんなもん燃えるだけだ。すこしなら影も形も残らねえよ!残るくらいなら生焼けだ!!んな細かいことを言う『オンボヤキ』なんているか!!!」という意味のことを、少しだけやわらかく表現して、麻雀パイ1個を(こっそり)副葬することをを許された。当然ながら、麻雀パイ云々など、私はどうでも良いのだが、病室で、母が「死んだらお棺に麻雀パイを入れてやるから」と病人に言っているのを、傍で聞いているので、言わねばならなかったのだ。
 午後10時頃まで打ち合わせは続き(途中、私は家に帰って必要書類を持って自転車で戻ってきている【往復で約15分】)、母をヨタヨタ歩かせつつ、30分ほどで帰宅した。


31日
 午後、病院へ行き、死亡診断書を受け取った。直接の死因は脳梗塞で、4日間の加療となっていた。請求書が出来ていないので、支払いは後日として帰宅。様子を見に来てくれた叔母に挨拶をして、今度は葬儀屋さんへ行く。
 電話をしてから、駐車場の続き部屋の中に入ると、昨日と同じ位置に父の遺体があったが、一べつをくれただけで背を向けたところ、「お線香を?」と薄暗いヌーボー氏に言われたので、仕方なく線香をあげて拝んだ。そして、「・・・何で、死んでいるのに元気そうなんだコイツは!」と心中驚いた。ドライアイス漬けで一昼夜経過しようとしていたが、頬に赤みが残っており、入れ歯を取っているため口元は凹んで間抜けてはいるが、たんに寝ている姿以外の何ものでもなかった。やはり遺体と言ったら、血の気が引いて生気のないろう細工のようになって、品良くちんまりするのが本当だが、何ともしぶといものだ。霊魂があるなら、まるで何も悟らず、そこらをウロついているに相違あるまい。
 ともあれ、死亡診断書を渡し、必要事項を記載し、手続きの代行の際に必要な印鑑を渡し、遺影に使用する画像の入ったDVDを渡し、遺影の背景を選び(背景が4パターン変化すると言う・・・)、『預かり金』十数万円を渡した。
 入れ替わりで、母と叔母が線香をあげに行ったが、感想は「元気そう」であった。奇妙なものである。





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Last updated  2015年05月24日 16時09分10秒
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