テーマ:一冊仕掛人(459)
カテゴリ:「本」の紹介
『茶の湯デザイン』 ペン編集部【編】 ・阪急コミュニケーションズ ~ペン・ブックスシリーズの第5弾(ダ・ヴィンチ、ルーブル、パリ美術館マップ、神社とは 何か?寺とは何か、に続き)。 「時代の波に洗われながらも、消え去ることなく洗練の度を増して、人の心の琴線を打ち 震わせる"美"。日本にいくつか残されたそんな(真の)ユニバーサルデザインのひとつが 茶の湯だ。」「茶室を知り、茶碗の魅力を解き明かし、茶筅、茶器、茶杓など、茶道具の 斬新なデザインに目を瞠る。 そして、茶の湯に欠かせない花、懐石、美しい菓子まで、 伝統に磨きあげられた"茶の湯デザイン"」が、豊富な美しい写真で網羅されている。 監修は茶人の木村宗慎。 如庵・篁庵・待庵・孤蓬庵などの名席に見られる巧みな凝縮と開放のアイデアとモダンの 入口から床までの案内と見取り図により、歴史と工夫と人物が織りなす多才さをみせつ けられる。 なかでも茶室の『起こし絵図』は、立体模型として復刊してほしい!と思う。 さらに現在のクリエイターたちの茶室も紹介される、隈研吾・内田繁・辻村久信・楽吉左 衛門。立礼の是非、著者が活ける竹の一重切の椿の蕾や川瀬敏郎の花、道具は上記 のほか、掛け軸・水指・釜・箱書・箸・夏目・肩衝・仕覆、抹茶のできるまでをも紹介。 そしてこれら茶の湯を「人間相互のコミニュケーションすべてをデザインしてしまうエネル ギー」として捉え直しつつもさらに「茶の湯デザインの原理とは、不可解にして深淵な人 間の魅力、そのものである。」と追求を止まない姿勢がここにある! …吟味されたレイアウト、各文章末にある、"ペン"の絵柄も微笑ましい・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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