カテゴリ:俳句&本紹介
◎◎『昭和十年生まれの カーテンコール』
・鴨下 信一 ・幻戯書房 ~著者をご存知? TBSテレビで ドラマ(『女たちの忠臣蔵』『ふぞろいの・・・』)や音楽番組、白石加 代子の朗読劇『百物語』などの演出を数多く手掛けてきた人物「現在はTBSテレビの相談役」、、、 思い出しましたね! タイトルのとおり、1925年下谷区竹町の商家生!ってだけでも懐かしく!! さらに、 表紙!内田百ケンの書から採った 谷中安規の装画が相応しく(装丁・真田幸治)幻戯書房サスガの センス、299ページ!!!に及ぶ、"昭和"を語るエッセイ集、2006~2006間『サンデー毎日』連載の書。 「昔のカーテンコールは、もう一度出て来る時に、その公演でいちばん"客受け"した曲を唱って出て 来たものらしい。黙ってお辞儀するだけではなかった。 (中略・それほどの自信はないけれど) そんなふうになればいいな、そんなふうに読んでもらえば嬉しい。」 !! この語り口の優しさ!! 1. 気になる言葉~7篇 2. 絶やしたくない風習~10篇 3. 五感のバランス~10篇 4. 雑感あれこ れ~8篇 5. 忘れじの映画~8篇 6. 廃れゆく芸~9篇 7. 味読精読~8篇。・・ホンの一部を引用 「社会に出て知るようになった畏友たち、向田邦子さんにしろ(ちょっと先輩・以下()内ママ)、久世 光彦くん(同年同窓)にしろ、阿久悠さん(すこしばかり年少)にしろ、どうも自分と同じ傾向、細部 への偏愛、ディティルを覚える強力な記憶力、それらをつなぎ合わせる想像力、及びもつかないが 同種のものを持ち合わせていたように思える(皆もう黄泉の人だ)。 類を供を読んで親しくしても らったというべきか。(以下略)」・・・この「五行」が本書全体を語っているように思えるのだ!!! ・日本人の季節感を滅茶苦茶にしたのは、ハウス栽培とテレビが犯人なことは間違いない。 ・(略) 日本人はもっと索漠とした地獄に落ちたらしい。ぼくたちはもう一度、あの情緒に満ちた 星空の話をすべきだ。 ・やはり、ぼくたちの感覚はここのところイカれてきている。視角だけが 突出して、他の五感がすっかり鈍っている。 ・(モネの白内障・ゴッホの網膜剥離・ムンクの狂疾~ワ タシ・略) モネもゴッホもその他の画家も、眼が見たものをそのまま描く常人ならざる勇気を持って たのだ。(もう、一つだけにします)・いまは代用品の世の中、自衛隊は軍隊の、そのイラク派遣 はアメリカの、代理母は母体の、(中略・代用品と)書いたが)同時に<批評>的存在になっている。 ・・・昭和の文化芸術第一線の体験からの思考に擲たれると同時に、昭和には「居た!」オトナの オシャレとチエ・タシナミを語る「人物」が消えていく虚しさを深く感じてしまう、あぁ、カーテンコール!! 八月の満月哀し鬱陶し お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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