『うつぼの ひとりごと』
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| ・吉村 萬壱 ・亜紀書房
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~著者初見、2003年『ハリガネムシ』で芥川賞。ウェブマガジン「あき地」に連載の第二弾。 |
光・傷・水・ゴミ・文字・色・肌・夢・穴・自然・本・お金・・「名詞」篇タイトルの24篇、131頁。
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・知的障がいの支援学校の中学部で、17年間勤務した。・どんなテーマも具体性という |
一本に絞って書いてきたつもりである。そのため、私のエッセイはちょつと個人的な体臭の
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ようなものがきついかもしれない。 ~・東日本大震災の時、家族の絆というものがあた |
かも絶対の善であるかのように連呼されたが、現実には良い家族もあれば地獄のよう
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な家庭もあるわけで、家族の絆に縛られて死を選ぶ人もいる中で、家を絶対視する全て |
の言説には私は拒否反応を覚える。(以下略) ・人間が自己正当化に費やす時間と労
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力は膨大なもので、誰でも全力でこれをやっている気がする。(以下略) ・金もかからず |
体力も必要としない何か自分だけの楽しみを、無から捻りだすことができれば老後は安
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泰である。 ・人生から期待すべき何ものももっていない人は、果して間違っているのだ |
ろうか。(以下略)・・・・各篇ごとに頷けさせられる「名詞」群である。 | |