カテゴリ:俳句&本紹介
『黒田杏子の俳句』
・高田正子 ・深夜叢書社 〜22/8発行、図書館蔵22/10/5 、10/8借入! 523頁厚さ3.5センチ! 「『はじめに』に代えて」〜「黒田 杏子『藍生』(あおい)主宰は私の師匠である。ー」、、そう、弟子が師匠の旅路を辿る類を見ない文芸 書である。 本書は 師匠句の背景から【櫻・蛍・巡礼】(副題)に絞っての"解説"する大書である。 1章 黒田杏子の十二ヶ月 2章 櫻 3章 月 4章家族とあり、多くの俳人はもちろん寂聴さんら との交流、日常や櫻を追っての「巡礼」の様子から「愛用のもんぺスーツのデザイナー大塚末子」さ ん、勤務先の博報堂神田へ自宅市川からの総武線風景の中で「都鳥」句などへの親近感!, 父母夫に ついても語られる。!! 〜フセンだらけにつき、いくつかの句だけの引用にとどめます。 ・ちちはもうははを叱らぬ噴井(ふきい)かな ・あらたまのカマラ・ハリスの立姿 ・かよい路のわが 橋いくつ都鳥 ・かたかごの飴に跼(かが)めば男老ゆ(夫・黒田勝雄氏であろう) ・ゆつくりとほたる たちまちかぶきけり ・雨林曼荼羅蛍火無蓋蔵(漢字のみの句も多い!!)【青鷺の遊行のかほを愛すべし】 ・八月十日いつきさんと祝杯 ! 正木ゆう子の句も【花火の夜兄にも少し粧へり】 ・考えず深く睡らむ鉦叩 ・いそがずに花めぐりきし四十年 ・花行脚ゆつくりいそぐこの のちも ・春月の家おぢいさんおばあさん ・花冷や父に一献母に一燭 ・藤袴母に白曼珠沙華父に ・いつかふたりいづれひとりで見る櫻 ・喧嘩せぬ老いぼれふたり月を待つ ・・・「俳句に親しむ ようになって、涼しとという言葉が、もっともっと幅広く使えるのだということを知りー」「『季語 の現場に立つ』という信条は理屈ではなく、重ねてきた生活の実感から生まれたものだ。ー」 「句を作るのはもとよりひとり、自力である。ー』・・・等々の "杏子語録"もたっぷり!! (なにを隠そう、私メの入院9日間(22/10)のうち5日かけて、ゆっくり読み上げました、、、。) ・(昨秋、22/10/20に 読了したばかり〜今月 23/3/13に逝去。桜を追った生涯、西行のように この日 東京の開花宣言あって 逝く!・・無念、そして合掌) 〜 たまたま、いつもの年なら 華やかに咲くのに 今年の当庭の 杏 は、暗喩のごとく 一輪だけでした…「句」も「寫眞」も その時のものですが、 追悼句とします・・・。
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