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「このたび、地上世界攻略作戦の指揮を任されましたアルマロスといいます。今この話を聞いている地上の民達よ、無駄な抵抗はやめ、大人しく我々天上人にその領土を差し出しなさい。お互い無駄な血を流す必要もないことでしょう」
いきなりナニを言ってるのかなぁ・・・ 「私達天上人も別に貴方がた地上人が憎くてこのような事をするわけではありません。むしろその逆です。私達が矢面に立ち、魔族との戦いを一手に引き受けて差し上げようと言っているのです。魔族との戦いを引き受ける代わりに、拠点・補給線としてその各国の主要都市をお借りしたい、そう言っているだけなのです」 私達に向けて演説を行なうアルマロスさん。 ただ、その言葉は聞けたものじゃない。 だって、だってさ・・・どう考えたって上から言ってるようにしか聞こえないんだもん。 「私達はこれより地上世界で最大の影響力を持つと思われる四大天使のリーダー、セラフィム=ライトの生まれ故郷であるセイレーン国のキャメロット城へと向かいます」 キャメロットに?まぁ、そうだよね。確かにここさえ抑えれば後は言う事聞いてくれそうだし? 「まずは見せしめにキャメロット城を落とし、私達天上人に逆らうということがどれ程愚かしいことで無駄なことかということを世界の人たちに教えて差し上げます」 え!?ちょ!?今さっき余計な無駄な血を流す必要はないって言ったばかりだよねえ!? 「なるほど・・・まず最初に一番大きなところを見せしめに落とし、それを晒す事によって他の国に対して反抗しても無駄だということを見せ付けますか・・・確かにやり方としては正しいのでしょうが・・・」 「ゲティン、地上世界のどこかでこの話を聞いているのはわかっています。私はどこにも逃げも隠れもしません。さぁ、私を止めに来なさい。ふふふ、キャメロット城へ貴女がくるのを楽しみに待っています」 そこまで言うと上空に映し出されていたアルマロスさんの姿も消え、空はいつもの静寂さを取り戻したんだけどさぁ・・・ 「アル・・・アルマロス・・・何故・・・何故・・・」 「ゲティン?大丈夫?」 「あ、はい・・・大丈夫です。ただ少しビックリしただけです」 「ゲティン?貴女はキャメロットへと向かわないほうがいいのでは?」 「えぇ、もしかしたら。万が一、その彼女と戦うことにでもなってしまったら・・・」 「いえ、大丈夫です。それに、もしアルマロスと戦うことになり、その結果・・・どちらが傷つこうとも、わたしは決して後悔しません!!それに、アルマロスは話の通じない相手ではありませんので、きっとわたしの話を聞いてくれるはずです」 ゲティンの瞳は今まで見たこともないくらいにとても真っ直ぐなモノ。 その決意の固さというか、本気さがひしひしと伝わってくるよ。 「わかったよ・・・ゲティンがそれでいいって言うのなら、後悔しないっていうのなら私からは何も言わないよ。みんなもそれでいいよね?」 皆に対して問いかけ、そしてグルリと皆の顔を見回してみた。 誰もゲティンを止めようとする様子は見受けられない。 「はい、ゲティン・・辛い現実が待っているかもしれませんが、頑張ってくださいね」 「あぁ、ゲティン。どうしても駄目な場合は私達に言ってくれ、な」 「えぇ、とりあえずあれですわね。キャメロット城まで戻るまでに、何か対策でも考えておいたほうがいいですわね」 「はい、わたしも色々と考えては見ますが、皆さんも宜しくお願いします」 「それじゃ、急いでキャメロット城に戻るよ皆!!」 そして、私達はエデンを後にしてゲティンの幼馴染で大親友であるアルマロス率いる天上人軍が待ってると思われるキャメロット城向けて出発したのだった。 第49話 神々の宣戦布告 その2.終わり 第50話 俺に任せてくれないか? その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年08月19日 00時06分54秒
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