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2007.02.24
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(ゆかちんさんのBlogのコメントに書いたのだけど・・・)

気になったこのニュース。

朝日新聞(ロイター発)
東京鋼鉄、大阪製鉄との統合白紙で単独生き残りを模索

http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200702220082.html

読売新聞
東京鋼鉄 統合案否決 個人株主 企業戦略覆す

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070223mh07.htm


東京鋼鐵と大阪製鐵の統合が経営陣同士で決定されたのだけど、
「その条件が東京鋼鐵株主にとって不利すぎる」として
東京鋼鐵の大株主であるいちごアセットマネジメントが物言い。
一般個人投資家など小口株主から議決権を集め、統合の決定を否決した、というもの。


「いちごAM」って、
かわいいけどちょっとアダルトビデオっぽい名前だなあ、なんて感想はさておき、
ここで気になるのが
「どうやって一般個人株主からの議決権を集めることに成功したのか」という点。


(朝日新聞)
経営陣の間で合意したM&A(合併・買収)が総会で否決されるのは、日本では今回が初めて。東京鋼鉄の大株主で、株式交換比率に異議を唱えて反対委任状を集めていたいちごアセットマネジメントのスコット・キャロン社長は、平嶋社長に続いて会見し「個人株主が一丸となって、ある種の株主民主主義に参加したことは意義のあることだと思う」と述べた。


(読売新聞)
株主総会後、記者会見に臨んだいちごAMのスコット・キャロン社長は「個人株主が一丸となり、一種の株主の民主主義に参加されたことは大変意義があることだ」と述べた。


と、引用されたこの社長コメントからすると
まるでいちごAMが個人投資家の利益を守ったかのようなメッセージになっているけれども、
この裏にはかなりのPRコンサルティングが関わっている感じがする。


1.まず、「外資の投資会社」という存在自体には
「ハゲタカファンド」というキーワードから派生するネガティブなイメージがあるけれども、
ここではそのネガティブさをまったく露出させないようにしている点。

2.さらにこの東京鋼鐵と大阪製鐵の合併によって最も損をするのは
ほかならぬいちごAMであり、この一連の動きはそれをきっかけとしているのだけど、
かなり巧みにそこに注目のフォーカスがあたるのを回避している。


たとえば1.についていえば、
社長が日本に長いこと住んでいて日本語が流暢であること、
和の心だなんだとアピール、「日本を食い物にしにきたわけではない」
というのをかなり強調しています。
(ちなみに文芸春秋なんかにも何度かCEOの露出があります。)

いちごアセットマネジメントのホームページはもう、こてこて。
http://www.ichigoasset.com/



2.については綿密に練られ、戦略的に組み立てられたキーメッセージのなせる業かと。

たとえば、
出されているリリースやレターをよーく見ていると
「モノを言う株主」「経営陣との対話」「少数株主の擁護」
という単語が繰り返し使われていることに気づくかとおもうのだけど、

こうしたぶれのないメッセージの発信によって

「ハゲタカ外資系投資会社がその利益確保のために日本の少数株主を利用している」

という最悪のシナリオを避け、

「少数株主の利益を守るために経営陣との対話を行うとする代弁者=いちごAM」

というポジションを作り上げることに成功しているもんね。

こうしたポジショニングは
今回のように個人投資家から議決権を集めるときには不可欠なものだよね。
誰だって「利用されてる」と感じると、協力には二の足を踏んでしまうし。

で、
こうしたコミュニケーション戦略は
社長の「株主による民主主義を実践する」というメッセージによって
一本の柱で貫かれている構造になってる。

さらにこのメッセージがすごいのは
この「民主主義」ってワードは一種の「葵のご紋」みたいなもんで
これに異議を唱えるのはかなり難しいときている。

まあ加えて言えば、
そのキーフレーズをニュースに引用させる流れを作っているのもさすが、って感じ。


ま、今回は言われっぱなしで、決定を覆さなきゃならなくなったわけだけど
経営陣側が対抗的にコミュニケーションのプロを雇っていたら。

もっと面白いことになっていたでしょうねえ。

僕であれば
「経営統合をしないことは、業界再編の流れから取り残されることになり、
 東京鐵鋼、大阪製鐵両方の株主にとって大きな損失となる。
 統合することがまさに少数株主の利益になるのですよ!」
というメッセージからスタートするかもなー。
株主民主主義、というフレーズに対抗する何かも考えなきゃ、だけど、それはかなり難しそう・・・。
うーむ。


ちなみに。

プレスリリースから判断するに、
この一連のコミュニケーションには
外資系(オムニコム系)のギャビンアンダーソンという会社が関わっているようです。

ギャビン・アンダーソン・アンド・カンパニー・ジャパン・インク
http://www.gavinandersonjapan.com/


競合ながらも、これはかなりいい仕事だなーなどと感心してしまったのだった。


転職しよっかな(うそ)。





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最終更新日  2007.02.25 15:56:50
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