テーマ:DVD映画鑑賞(14163)
カテゴリ:DVD
我慢くらべ、というものがあります。真夏にドテラを着て、たき火やストーブを囲んでどれだけ耐えられるかを競うもの。 真冬の寒中水泳なども、そのひとつでしょう。こちらのほうは、心身の鍛錬なども兼ねているようです。いずれもひ弱な都会人には向かない行事です。 猛暑対策のひとつとして、肝試しのホラーではなく、熱いサスペンス映画を見る、というのはどうでしょうか。それに相応しいかどうかわかりませんが、手元にあった「太陽がいっぱい」を鑑賞しました。 制作=1960年 フランス・イタリア合作 117分。監督=ルネ・クレマン。原作=パトリシア・ハイスミス。音楽=ニノ・ロータ。出演=アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネほか フランス・ヌーベルバーク全盛時代に、それに対抗して戦前派の巨匠が監督した大作。アラン・ドロンの美貌を全世界に知らしめた記念碑的作品です。ニノ・ロータの主題曲も大ヒットしました。 貧しい青年トム(アラン・ドロン)が、富豪の友人フィリップ(モーリス・ロネ)を殺害。彼に成り済まして財産と恋人(マリー・ラフォレ)を奪おうとします。身分証の偽造や筆跡の練習、トムの緻密な計画は完璧に見えましたが......。 サスペンス映画の古典として高く評価されています。ミステリー映画のベストテンに必ず入っていますが、オーソドックスな演出と映像で、途中かなり退屈しました。過去に何度も見ているせいでしょうか。 印象に残る場面はいくつかあります。マリー・ラフォレの登場シーンは刺激的でした。鏡に向かってギターをつま弾きながら呟くように唱うのですが、妖精のような瞳に魅了されたものです。決して美人ではありませんが......。 ラストシーン、普通はヒキで終わるのですが、本作では海のアップでエンディングを迎えます。これも斬新でした。太陽をいっぱいに浴び、成功に酔ったいたトムを襲う逆転劇。流麗に流れる主題曲。鮮やかでした。 イタリアとフランスの港町や海のロケも一見に値します。公開当時は、(いまでもそうか)観光気分にも浸れたでしょう。ヌーベルバークの傑作映画に較べると、手法が平凡なのは仕方ありませんが、全体に楽しめる作品なのはたしかです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月23日 23時02分12秒
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