カテゴリ:テレビ
3月5日(水)テレビ東京系水曜ミステリー、第27回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品。サブタイトル「京都豪邸に渦巻く欲望、20億の遺産に群がる女と男」 原作=松下麻里緒「誤算」角川文庫。脚本=田中晶子。監督=石原興。音楽=エンディ。出演=羽田美智子、中村敦夫、黒沢年男、大友康平、袴田喜彦、正司歌江ほか。 看護士の奈緒(羽田美智子)は京都の資産家・鬼沢(中村敦夫)の専任看護士として住み込みで働き始めます。が、鬼沢は偏屈な人物で一筋縄にはいかず、看護は容易ではありませんでした。 一方、鬼沢の子供たちが遺産相続で揉めていることや、孫が祖父を憎んでいることなど、さまざまな問題を知ります。やがて鬼沢に奈緒の誠意が伝わり、最後まで看病した暁には五百万円を送りたいと遺言に書き加えたことを遠山弁護士(大友康平)から知らされました。 横溝正史ミステリ賞はTBSとタイアップしているものと誤解していました。すなわち高額賞金のミステリ賞は、日本テレビ=新潮サスペンス大賞(撤退)。TBS=横溝正史賞(角川書店)。フジテレビ=江戸川乱歩賞(講談社)。テレビ朝日=サントリーミステリ大賞(文芸春秋)。どうやらこれは違っていたようです。 今回、横溝正史賞がテレビ東京とタイアップしていることをはじめて知りました。本受賞作は「この子の七つのお祝いに」「見返り美人を消せ」「消された航跡」などを読んだ記憶があります。 ストーリーでもおわかりでしょうが、最初シチュエーションがカトリーヌ・アルレーの「わらの女」に似ていると思いました。人物配置は違いますが、ヒロインと老人との関係がそっくりなのです。 ただ、このヒロインはヒルダガルデ(「わらの女」のヒロイン)のような野心家ではありません。介護に打ち込む優しい女性として描かれています。バツイチでもあり、苦労人で思いやりのある好もしい性格の持ち主です。 後半になると、話の底が割れてきました。「誤算」という題名が、結末をずばり物語っているのです。あまりにもストレートな題の付け方で苦笑してしまいました。トリックや謎解きといえるものはほとんどありません。ミステリとしては凡作でしょう。 羽田美智子は美人すぎますが、好感が持てるヒロインを無難に演じています。中村敦夫は設定の老人よりも若く生々しくて違和感がありました。白いスーツに帽子をかぶり、和製マフィア的衣装で登場するシーンがありますが、ここは颯爽としていました。 黒沢年男、大友康平、袴田喜彦など男優陣は、それぞれ持ち味を生かして好演。資産家の子供たちを演じる女優連は、いずれも知らないメンバーで評価は不能です。 舞台は京都。西村京太郎や山村美沙の京都ものよりも、古都の風景がよく撮られており、京都好きの小生にとっては満足できました。それ以外は見どころが少ない、といったらきびしすぎるでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月12日 20時17分18秒
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