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『敗者復活戦』《凡人の独立編》 第14話
(メルマガ敗者復活戦保存版) 奇人変人?が集う訪問販売の世界を卒業し華麗なる転身を遂げるはずが、今度は店頭販売の世界へ。 溺れる者は藁をも掴むと言います。 その掴んだ物は一体なんだったのか?。 第14話スタート! ●騙すより騙される方がいいなんて、嘘だ! あの演説会?から3ヶ月が経ったというのに、今までと変わらずスーパーで店頭販売の毎日。 あの夢のような全国展開の話は、どこに行ったのでしょう?。 指導員として全国を飛び回っているはずなのに、今までと何の変化もない。 仕事に身が入るわけがありません。 ある日、マネージャーのKさん、いや、総務課長のKさんから呼び出しがありました。 京橋の事務所に、スーパーが閉店したら必ず来るように・・・。 高田馬場の新事務所ではなく、京橋と聞き悪い予感がしましたね。 Kさんの声も元気がありませんでした。 本来なら合併する前の本拠地に用はないはずです。 京橋の事務所には、H社長、奥さん、Kさん、他の社員のNさんとIさん、それに私の合併する前のメンバーが揃いました。 おもむろに社長が困惑の表情で口を開きました。 「会社を閉める事になった。おまえたちには申し訳ないが、私の不徳が原因としか言いようがない。」 あまりに驚いて、社長が何を言っているのか全くわかりませんでした。 若い社員は、狐につままれたようで呆然としているだけでした。 この言葉も記憶が曖昧です。 そして、冷静になってよく聞いてみると、合併した時、あの社長と本部長の会社は、すでに破綻していたようです。 合併して、直ぐに地元にちょっと帰るから100万円用意して欲しいという話から始まったようです。 ある地方出身だったその社長は、地元にも親族と共同経営の会社を持ち、それも倒産寸前だったのです。 慌てて帳簿を見てみると、もはや破綻状態。 財布の中身も殆んどカラッポだったのです。 負債は、約25年前で数千万。 何故、そんなことに気付かなかったか?。 社長もKさんも、それほどバカではなかったと思いますが、仲を取り持ったコンサルタント会社のM先生に、全幅の信頼を寄せていましたので、何の疑いも持たなかったと言うのです。 「あのおっさんの責任じゃないですか。あの男から金を取りましょう。」 私は、一人で興奮して社長やKさんに訴えました。 もちろん、こうなるまでかなりの修羅場があったようです。 コンサルタント会社のMも騙されていた、と社長もKさんも言うのです。 そんなこと、信じられるわけがありません。 私だけでなく他の社員も納得出来きませんでした。 すると、それまで黙っていた奥さんが目に涙を浮かべて・・・。 「○○君、もう何もかも終ったのよ。ごめんなさいね」 こんな意味のことを言われたものですから、私は、もう言葉が出ませんでした。 これ以上話しても、奥さんを苦しめるだけになってしまいます。 もちろん、当時20代前半の私ですから、興奮しているだけで何の役にも立たなかったのは間違いないですね。 何の相談もなかったのは、当然のことでした。 こんなことになっているのは露知らず、能天気にフランチャイズの指導員の夢を見ていたのですから、情けないとしか言いようがありませんね。 結局、社長は家も土地も手放すことになったようです。 一度だけ、自宅で奥さんの手料理を御馳走になったことがありました。 その一戸建ての家は、確か山の手線の内側か?、記憶が曖昧ですが、とにかく直ぐ近くに山の手線が通っていました。 バブルの頃だったら、どれくらいの値がついたんでしょうね。 社長は全てをなくしましたが、誰にも迷惑は掛けていません。 凄いことだと思います。 そんな社長ですから、旧くからの友人の方からのお誘いで、その方の会社に就職。 女性マネージャーのKさんは、優秀な女性でしたから、やはりお誘いがあり再就職。 同僚のNさんは、人柄も良かったので、Kさんのご主人の会社に就職。 そして、Kさんが私に言ってくれました。 「あなたは、どこに行ってもやっていけると思うわ・・でも」 でも、なんだろう?・・・・。 Nさんのようにどこかに紹介は?・・・ないの・・・でしょうか?。 「あなたは、S急便に入ってお金を貯めて何か自分でやりなさい。その方がいいと思うわ」 ガッ~ンと来ましたね(笑)。 確かに当時のS急便のドライバーは、大変なお金を稼いでいました。 Nさんと違って、私は、組織の中でやっていくのは、無理だろうと思われたんですね(笑)。 しかし、今考えると、よくそんな私を我慢して使っていただいた、と感謝しかありません。 仕方がないので、その後しばらくは、どこにも入らず肉体労働で食いつなぐことにしました。 この店頭販売の会社に勤めたのは、たった1年でしたが、KさんとNさんとは今でもお付き合いがあり、私が平成14年に首の手術した時は、メールや電話で励ましてくれました。 社長とは、その後私が父の病気で福岡に帰ることになり、帰る前に一度お会いしただけです。 今、どうなさっているか知る由もありませんが、お元気で平穏に余生を送られていますように祈るしかありませんね。 それにしても、何か、夢を見ているような1年でした。 ・・・続きをお楽しみに!。 それではまた。 あの社長は、逃げもせず全ての責任を全うしました。騙されはしましたが、今世間を騒がしている社長たちに比べたら遥かに立派な方でした。徳が高い、とはあんな人のことを言うのかもしれません。 ・・・クリックよろしく!。 『敗者復活戦』の物語を初めから読みたい方は⇒こちらへジャ~ンプ! 会社のサイトです。 こんな仕事をやっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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わたしの会社も最後は乗っ取られそうになり(乗っ取られはしなかったw)私のボスが上手く立ち回り会社を解散という形に持ち込みましたが、3度目の放り出しに、つぶすなら自分でつぶそうと思い立ち自営を目指しました。
怪しい人はお客さんにいっぱいいますが、人は狸と狐が多く修行が足りず皆さんいい人に見えますw 学習していないということもありますが、みんなガンバレといいたくなります。 (2007/06/23 01:06:32 AM)
記者会見で自分の息子に諭されてる、なんとかミートの社長はホントに哀れでしたねぇ。。。
(2007/06/23 09:04:04 AM)
7777ハリーさん
>7月のビール大会を楽しみにしています。 > >その節は、 >宜しくお願い致します。 ----- またお会いできると思うと嬉しいです。 楽しく愉快にパッ~~とやりましょう!。 (2007/06/23 06:28:20 PM)
ワインレッド2001さん
> 逃げずに自ら責任をとった社長の姿ですね。 > 清清しいお話です。 > 「徳が高い」という言葉に郷愁を感じるようになってしまいましたね、昨今。 ----- お天道様はお見通し、なんてもはや時代劇でしか聞けない台詞かもしれませんが、あの社長のように恥を知る人間でありたいものです。 いや、ありたい、というよりなりたいですね!。 (2007/06/23 06:52:10 PM)
たまゆら1/fさん
>わたしの会社も最後は乗っ取られそうになり(乗っ取られはしなかったw)私のボスが上手く立ち回り会社を解散という形に持ち込みましたが、3度目の放り出しに、つぶすなら自分でつぶそうと思い立ち自営を目指しました。 >怪しい人はお客さんにいっぱいいますが、人は狸と狐が多く修行が足りず皆さんいい人に見えますw >学習していないということもありますが、みんなガンバレといいたくなります。 ----- たまゆらさんも大変な経験をされているんですね。 私の周りにも時々狐や狸が出てきますが、それに気付くのが事が済んだ後だった、というのが現実です(笑)。 一目で人を見抜くなんて、とても出来ませんね。 (2007/06/23 07:09:06 PM)
豹柄928さん
>記者会見で自分の息子に諭されてる、なんとかミートの社長はホントに哀れでしたねぇ。。。 ----- あれほどカッコ悪いものはない、と思いますが、あの息子も今まで社長に何も言えなかったのでしょうか。 知らなかったなら、仕方ないですが、知っていて今まで言わなかったのなら同罪だと思いますね。 (2007/06/23 07:21:02 PM) |
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