カテゴリ:映画・本・音楽・ドラマ
「五稜郭残党伝」から遡る形で読んだ。 榎本武揚という人物、「燃えよ剣」を読んだ頃は、「おめおめと永らえやがって」 と思っていたのは事実である。 長じるに従い、様々な資料に触れるにつれ、有能な人材であったことは、まあ わかった。 それでも、「能力さえあれば生き残れるのかよ~」と、何とも釈然としない気持ち はあった。 榎本武揚に関しては、長時間ドラマで里見光太郎が演じた者を観たが、その 幼少時代~青年期は、今一つ印象が薄かった。 本作は、そのあたりもじっくり描かれており、その中で、幕府の「勝海舟」との 対比が鮮やかである。 作者のHPを確認しても、勝海舟の評価は低いようである。 主人公ゆえ、榎本武揚の誠実さが全篇に描かれているが、話は五稜郭で 終わる。 作者は、以前ラジオで「その後の武揚」を描くと言っていたが、是非読みたい。 最後に、私が学生の頃だったか。 榎本武揚の子孫なる女性が、武揚の足跡をたどるドキュメンタリーがあった。 名家の子女らしく、「上から目線」であちこちを歩いたその女性に、北海道で だったか、ある家の住民が、 「うちに、こんなものがあります。」と、突きつけたのは、榎本武揚が書いた 函館政府の「借用書」。 「これ・・・払ってもらえるんですよね?」と、丁寧にねじ込まれた時の、彼女の 気まずそうな表情が記憶に残っている。 全方位に対して「英雄」であることはあり得ないと、改めて教えてもらった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/20 10:11:57 AM
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