カテゴリ:映画・本・音楽・ドラマ
13巻から15巻まで、一気に読み終わった。 北方謙三オリジナル水滸伝の続編、というより、15巻もある エピローグ、という認識が相応しいかもしれない。 「水滸伝」で総攻撃を受け、ほぼ壊滅した「梁山泊」の再建から 始まるエピローグ。 死に損なった者たちが抱える、死んでいった仲間たちへの思い。 主要な登場人物を、きっちりと「死なせてやる」ために多くの頁が 費やされている。 そして、もうひとつのテーマが、「国とは何なのか?」 作者は、数世紀も前の話を書きながら、現代の資本主義国家が抱える 矛盾を、登場人物たちに語らせている。 何なる戦闘集団だった梁山泊が、この作品では、経済国家の様相を呈し、 その経済を守るために、本来の理念以上の軍事力を持ってしまう・・・。 私はこの作品の梁山泊に、アメリカなどの大国のイメージを重ねて 読んでいた。 北方作品は、きっちり伏線が用意されており、エンディングは容易に 想像がついた。 壮絶なクライマックスに圧倒された「水滸伝」のラストに比べると、 「あれ?」と思わせる程、あっさりした終わり方だったが、他にこの 長大な作品を終わらせるストーリーも、考えにくいような気もした。 水滸伝の時も、文庫版になると、加筆・訂正が加えられたりしたので、 文庫版も読んでみようと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/06/12 09:59:17 PM
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