テーマ:江戸時代を読む!(129)
カテゴリ:ふるさと自慢
6月14日に発売になったデアゴスティーニの『週刊江戸』第74号の「偉人列伝」のコーナーに古河藩家老の鷹見泉石(たかみせんせき)がとりあげられました。幕末期の蘭学者で開国を説いた『愚意摘要』を著したり、大塩平八郎の乱の鎮圧に功績をのこした人物です。渡辺崋山の描いた「鷹見泉石像」は国宝となっていて、社会科の教科書に載ったりもしています。
また、古河藩主・土井利位(どいとしつら)の名前も頻繁に出てきます。老中・水野忠邦の推進した「天保の改革」に反対した中心人物としてです。古河の城主がなぜ?と思われるかもしれませんが、利位も老中の一人でした。老中とは5万石以上の譜代大名から4~5人選ばれ、政権の重要事項を合議決定した江戸幕府の最高役職です。 なぜ改革に反対したのかというと、水野忠邦が「上知令」という江戸・大坂周辺の各藩の領地を幕府直轄にするという命令を出したのが最大の原因です。古河藩も大坂近郊の摂津播磨に2万4千石余りの領地を持っており、それを召し上げられると収入は減ってしまうし、その住民も今まで殿様の信用で貸していた金を踏み倒されると思って憤りました。 同様な反対意見が他の大名からも住民からも多数出て、上知令はすぐに撤回されました。ほかにも厳しい倹約・無茶な規制がたたって、天保の改革は失敗に終わります。水野忠邦は失脚、代わって土井利位が老中首座になっています。ただ、将軍・徳川家慶は忠邦がお気に入りだったようで呼び戻していますが、人望のない彼はすぐ辞任に追い込まれました。 「暮らし大全」コーナーでは、タンスは江戸時代初期に誕生したというお話を読みましたが、その1つ階段箪笥(箱階段)の写真を見て驚きました。永井路子旧宅で見たものとうり二つだったからです。前回ホタルのことを書きましたが、早稲田あたりは江戸っ子たちの蛍狩りの名所だったとか、政治ドラマだけでなく当時の庶民の生活も手に取るようにわかる『週刊江戸』なかなか面白いですよ。 ちなみに、古河藩については、週刊江戸69号の「日本全国藩事情」に詳しく、日光街道の要地で、幕閣クラスの大名が次々に入れ替わった出世藩などと書かれています。家康・秀忠・家光の3代にわたって仕えた大老・土井利勝をはじめとする藩主や家臣・文化人などの人物群、日光社参のときの古河藩の役割、古河名物などが紹介されています。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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