テーマ:今日の出来事(288381)
カテゴリ:不動産登記
前回のからの続きです。
実は書類を全て司法書士に渡しているからといって、 100%安全か?と言われればそうとも言えないのです。 売主の方が、金融機関で権利証などを司法書士に渡したとしても、 その司法書士が書類を提出する前に、 別の方に売ったという登記申請をしてしまうことも理論上は可能です。 登記は早い者勝ちですから、 早く登記申請した方が権利を対抗することができます。 ただ、この場合、当日の朝に登記をしてしまえばばれてしまいますし、 最初の売買の時から、その司法書士が書類を提出するまでの間、 せいぜい2~7時間の間に、別の売買を成立させ、 登記を必ず先に申請しなければいけないという条件が加わりますから、 まず意図的に犯罪的な行為をやろうとしない限りはできません。 また、後の売買を依頼された司法書士は 本人確認情報という書類を作成しなければならず、 当然何時に申請してくれという注文もつくでしょうから、 なんだかおかしいなという話にはなると思います。 その他、権利証や本人確認情報の偽造という手段も考えられますが、 どちらにしろ登記が完了すれば事件は発覚してしまいますから、 売主はそれまでに逃げてしまっているといったケースなんではないか? と思います。 司法書士は登記申請に必要な書類を確認し、 作るのはもちろんなのですが、 その他の事情、どうしてこのような登記をするのか?とか、 お客様の依頼内容、やたらと時間にこだわるとか、 いそがせるとか、そういった様々な要素も考えながら、 この取引が正常に終了するかどうかということを判断することになります。 今回のケースでは、 ボスはそのような不審な点を特に感じていなかったので、 通常通り登記申請するつもりでしたが、 こんな風にお客さんから何度も連絡があったものですから、 急遽、書類をまとめてすぐに登記申請をすることになりました。 またその上で、登記申請書提出前にもう一度登記簿謄本を取得し、 不動産の状態に変化がないことを確認し、 その登記簿謄本に時間を書きこんで 登記申請完了のお知らせとともに送付しました。 やっとお客さんも少し安心していただいたようです。 登記が完了するまで更に電話がかかってきそうですが・・・ お客さんのおかげで、 不動産登記のリスクを改めて感じる一日となりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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