齋藤孝『理想の国語教科書 決定版』
斎藤孝さんの『理想の国語教科書』!このシリーズ、好きなんです。なんと今年、決定版が出ていることが判明。コンセプトは「自分の鶴嘴をがちりと鉱脈に掘り当てよ!」。今までのシリーズ同様、古今東西の文章からかなり精選されて収録されています。 『理想の国語教科書 決定版 自分の鶴嘴をがちりと鉱脈に掘り当てよ!(漱石)』(齋藤孝、文藝春秋、2012、1400円)===============================■内容詳細 (上の商品リンク上の記載より)日本中の国語教師にインパクトを与えたあの23万部超のベストセラー、『理想の国語教科書』から10年。満を持して、新たに選び抜いた渾身の決定版。目次 : 第1章 精神の「核」とは何か(私の個人主義(夏目漱石)/ 卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ。(渡辺憲司) ほか)/ 第2章 「愛」と「絆」を感じる心を育もう(たとへば君 四十年の恋歌(河野裕子・永田和宏)/ ゆでたまご/字のない葉書(向田邦子) ほか)/ 第3章 表現力の源は「観察力」と「想像力」だ(人さまざま(テオプラストス)/ 墨汁一滴(正岡子規) ほか)/ 第4章 現実に立ち向かう「力強さ」をもとう(カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)/ ジュリアス・シーザー(シェイクスピア) ほか)===============================以下に、斎藤孝さんの言葉で、こちらが感銘を受けたものを抜粋します。本書で紹介されている「名文」の数々は参照しません。部分抜粋には適さないと思いますので。ぜひある程度長いまとまりとして読み通してみて、言葉のもつ力を感じていただければと思います。===============================『理想の国語教科書決定版』・国語とは、自分の考え方を磨き、 生き方を考える教科。 つまりは、人生を学ぶ教科。・国語の教科書とは、本来、「人生の教科書」・「自分の鶴嘴をがちりと鉱脈に掘り当てよ!」 夏目漱石が、大学生に向けた講演で投げかけたメッセージ。・かつての日本人には、精神の核というものがあった。・(現代人は、)精神の核をもたないことが、 心の不安定さを助長している。・自分の心のよりどころは、自分自身の鶴嘴で掘り当てるもの。・一本、筋の通った人間になろう!・(キャッチボールでも)子どもたちは 手かげんしてもらうよりも、 思いっきり投げてもらう方が好きだ。 大人が本気をぶつけていることを感じると、 一人前に扱ってもらっていることに興奮し、燃えてくる。 人間はそういうときに ぐんと成長する。・自分とは、外に探しに行くものではない、 内を掘って おのれのなかから見つけるものだ。・子どもたちが騒いでばかりいて、 腰を落ちつけて授業を受ける態勢になっていないとき、 私は「みんな、大きな石になってみよう」 とやったことがある。 「肩の力を抜いて、できるだけゆっくり呼吸して、 おなかの下のほうに石の重心があるつもりで、すわってみよう」 数分間、そういうイメージを頭に描いて静かにすわるだけで、 子どもたちは落ちつき、意識もグッと肚のほうに下がって、 学ぶ構えができた。 あるいは、「一本の大きな木になる」というのもいい。 自分の中心に軸を据え、 大地にすっくと立つという感覚ができる。 =============================== 斎藤孝さんの読書量はすごい。幅広く、深く読み、それを紹介することも忘れない。子どもたちの教育を考える上で、斎藤孝さんの主張は、かなり参考になる、と思っています。個人的にも、斎藤孝さんのガイドで「名文」を知れるのは楽しみですし、抜粋だけ読むことで、全文を読みたくなります。僕の「こころの師」の一人です。 ↓よろしければ応援のクリックをお願いします。励みになります。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト