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島民はヒートアップした。 まさに突然のクレッシェンドである。 淡々と、明朗に、会議を進めていたつもりだった私はさすがにたじろいだ。 ひととおりの議事が終わって、質疑応答になってからである。 唐突に(ほぼ唐突に思えた)住民が言いだしたのである。 「こんな会議、意味がないんじゃ!」 そうじゃそうじゃ、と周りの住民も異口同音である。 「うまくいくわけがない!」 それが、一対一でお話をしにいったとき 「また楽しい話を聞かせてください」 と言ってくれた人である。 あるいは、雨に濡れる私に、すかさず傘を差しかけてくれた人である。 それが、何人もが集まった時、違ううねりになっていた。 思いもかけないクレッシェンド。 声は大きくなり、立ち上がる。 事前に相談されてからなら、考えようもある。 もう決まってから、ハイこうなりました、だから怒っとるんじゃ! 人は難しいのか、島は難しいのか、いったいどうしたら良かったのか、わかるようでわからない。だって、どんな問題も、答えを見れば、ああそうだったのかと思う。けど、じゃぁなんで問題を解けなかったの? 島の人は聖人君子ではない。 それ以上に、私たちは不完全なんだろう。 ダメなりに、一生懸命考えているのだけど、思いつかないのは能力の欠如か真剣味の足りなさか。 私たちは揺れ、出来る限り動いた。この2日。 人と人が交わることは、時としてどうしてこんなに難しいのか。 ため息と、諦めと笑いと、入り混じる帰途の車の中で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年05月08日 22時18分25秒
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