オオミズアオとマダガスカル・ムーン・モス
Break Time(一休み)最近夢の中でも仏像など調べ物をしていて、現実の事とゴッチャになって来てました かなり頭が疲れているんだな・・と、今回趣向を変えて・・。6月の初め、ちょっと風の強い日にマンション5階のベランダに美しい白っぽい蝶が飛ばされて来ました。最初はアルビノ(albino)のアゲハ蝶かと思ってカメラを取り出し撮影。植木で接写ができずちょっとボケ気味ですが・・。実はその蝶? 名前が気になり、グーグルの画像検索に入れてみました。世の中進んだものである。すぐにヒット。アメリカでは俗にルナ・モス(luna moth) 学名は(Actias luna)日本では俗にオオミズアオと呼ばれる種の蛾(ガ・moth)であった。オオミズアオとマダガスカル・ムーン・モスオオミズアオ(Actias luna)世界最大の蛾 マダガスカル・ムーン・モスオオミズアオ(Actias luna)何て美しい色だろう。まるで薄羽蜻蛉(うすばかげろう)のような色の羽。それはアメリカでも最も美しい蛾(ガ・moth)として讃えられ、1987年にはアメリカのファーストクラスの郵便切手にもなっている。日本では和名のオオミズアオの呼び名のが一般的のようだが、ルナ・モス(luna moth)の名も入れておきます。※ ルナ・モス(luna moth)のlunaは月の女神である。美しさの形容であろう。 mothはそのまま蛾(ガ)である。だが、美しくとも、ルナ・モスこと、オオミズアオは蝶ではなく、蛾(ガ・moth)に分類されている。チョウ目(鱗翅目)、ヤママユガ科、Actias属 、オオミズアオ(A. aliena)種最も蝶と蛾の明確な区分けのポイントはないらしいが、なぜか蛾の方が蝶より20~30倍も種類が多いらしい。※ チョウ目(鱗翅目)は、卵(たまご) → 幼虫(ようちゅう)→ 蛹(さなぎ)→ 成虫(せいちゅう)という 完全変態を行う昆虫である。翼幅は8~11.5cm(3.1~4.5インチ)。地域で多少大きくなる事もあり、アメリカでは蛾としては最大だとか。生息域アメリカでの生息域はメイン州南部からフロリダ州、西部からテキサス州東部、ノースダコタ州東部まで、すべての東部州で発見。カナダでは、サスカチュワンからケベック州の中心部を通ってカナダのノバスコシアに至るまで発見。平地から高原まで生息域は広く朝鮮半島,中国,ロシア南東部にも分布しているし、日本でも北海道から九州。そして低地から高地まで幅広く生息していると言う。私は初の対面であったが東京都心でも多数発見されているので珍しい種でもないらしい。風が本当に強かったので、肢体はボロボロ。壁に必死に張り付いていたので時々お腹を見せてくれた。お腹が真っ白でフワフワしていたのが可愛かった。うちに来たのは昼頃。もしかしたらふ化して、羽が固まる前に飛ばされたのかもしれない。ふ化は午前中で羽が固まるまで2時間かかるらしいから・・。食幼虫の時にモミジ、ウメ,サクラ,リンゴなどバラ科、ブナ科、カバノキ科ほか多くの樹木の葉を食べるらしい。アメリカでは北のものは白樺を、南部ではクルミやヒッコリーを主に宿主とするらしい。しかし、ふ化して成虫になると、口が退化して食事ができなくなるのが特徴らしい。だから寿命は1週間程度?美しいい物は儚い(はかない)物なのですね。さて、実はこれだけではありません。ふと気になって以前チラッと写真一枚紹介したマダガスカル・ムーン・モス(Madagascan moon moth)の写真を引っ張り出してきました。そして発見。ルナ・モスこと、オオミズアオとマダガスカル・ムーン・モスにはやはり共通する特徴が・・。名前も月の女神(luna)と月(Moon)だけど前翅、後翅(こうし)のウイングに目のような柄。後翅(こうし)の尾状突起がこちらは異常に長いけどそれもオオミズアオに似ているんですよね。世界最大の蛾 マダガスカル・ムーン・モスオスの翼幅は20cm、尾の長さは15cm。 世界最大のシルク蛾(silk moths)。2010年1月「ここはどこ? シリーズ3作目 8 (擬態するもの) 」の中で「おまけ」として最後に「マダガスカルオナガヤマユ」として紹介していますが、それは和名?実はこちらはマダガスカルの熱帯雨林に生息する世界最大のアフリカの蛾(African moth)である。コメット・モス(The comet moth) (Argema mittrei) あるいはマダガスカル・ムーン・モス(Madagascan moon moth) と呼ぶようです。※ 日本人はマダガスカルオナガヤマユと呼んでいるらしい。ふ化して間もないのか? 繭(まゆ)にしがみついているマダガスカル・ムーン・モスメスは120~170個の卵を産む。繭(まゆ)に開いた穴は繭(まゆ)に雨水などで水がたまるのを防ぐ為の機能だそうです。水がたまると溺れるので・・。ちょっとわからないけど糸も太いのかな?こちらもオオミズアオと一緒で口が退化し、成虫になってから食事はとれない。従って寿命は4~5日らしい。成虫になると、彼らは仲間を探し、すみやかに交尾。大きく、美しく、目立つ肢体は仲間捜しやペアの相手探しの為なのだろう。しかし、それ故、外敵からも狙われやすい。彼らの天敵はカメレオン、ヤモリ、鳥類。限られた時間の中で、次の世代を残す為の活動をする。卵が170個という数はそれだけ命の確率が低いからに他ならない。それを遺伝子は察知していると言う事だ。仮に交尾まで達して無事に卵を産んだとしても、それが次の世代にたどりつける保障はほとんどない。今、生存を確認できている事自体が自然の神秘かもしれない。当然、、彼らは絶滅の危惧される生物である。マダガスカルのナショナルパーク Andasibe Mantadia National Park では早くに捕獲され、繁殖に成功したようです。ルナ・モスこと、オオミズアオとは体長で2.5倍近くサイズが異なりますが、実はとても近種だったようです。以下比べてみました。違いは属からですルナ・モスとマダガスカル・ムーン・モスの双方、ヤママユガ科。糸を吐いて繭(まゆ)を形成する所など一緒。蚕(カイコ)はカイコガ科であるが、成虫では口が退化して食べられなくなる特性も一緒。カイコも遠い親戚?それにしても何で口が退化したのか謎ですね。偶然見つけたけど面白い