カサ・デ・バレンシアのパエーリャ
大阪滞在が延びています なかなか忙しくてブログに手が回りませんでしたが、アップしていないのに毎日たくさんのアクセスを頂き恐縮です。m(_ _)m アリガトォ~★カサ・デ・バレンシアのパエーリャ前からスペインの写真の中にポツポツとはさまっていた気になる写真。今回はパエーリャです カサ・デ・バレンシア(Casa de Valencia)パエーリャ(Paella)とは?料理としてのパエーリャスペイン料理と言えばパエーリャが思い浮かべる人が多いと思いますが、パエーリャの本当の発祥地は、バレンシア地方なのだそうです。しかし、さらにさかのぼると・・・アラブ起源の料理だった? 今やスペインどこでもパエーリャを出すお店はありますが、この料理は地方色・・・と言うよりお店による特色の方が大きく、味付けも米のオイル加減や、かみ応え、火の通り具合等、職人の腕もさることながら好み? かも知れません。ウィキメディアよりバレンシア地方はバルセロナのあるカタルーニャ州の南隣に位置します。カサ・デ・バレンシア(Casa de Valencia)さて、今回紹介するのは、バレンシアからではなく、マドリードにあるバレンシア料理のレストランからです。住所 Paseo Pintor Rosales, 58, 28008 Madrid, Spaiマドリード市内西、住宅、ビジネス地区であるアルゲジェス(Moncloa-Arguelles)のPaseo del Pintor Rosales通りにある知る人ぞ知るバレンシア料理のお店です。ホームページ上にはスペインのKings(王)によって1975年に創業と書かれています。おそらく、現国王のファン・カルロス1世の事だと思いますが、カルロス1世の即位は1975年の11月22日なので、お店はその前に開店していたかもしれません。とにかく王の肝いりだったのか王と王妃が開店の時に来店していたと言う事で、今でも各界の著名人が来店する由緒あるレストランのようです。(星2つ?)閑静な住宅区の中にある落ち着いたクラッシックな雰囲気のレストランなので、若者よりは家族連れや落ち着いた大人の方が多いのかもしれません。日本のちょっと高いツアーでは組み込まれていたりするので、日本語のメニューがあるようです。前菜Valencian Salad(バレンシア風サラダ)これにジャガイモが入るとニース風ですね。Steamed Mussels or in Sauce (ムール貝の蒸し焼き)レモンのサイズから見て結構大きいムール貝です。メニューのRices(コメ)部門にパエーリャはあります。本来これも前菜です。サーブする前に見せてくれます。これで3人前?Seafood Paella(Paella Marinera ) 漁師風・・・魚介類魚介の出汁がしみこんでとっても美味しいそれにしてもこの店パエーリャの種類がたくさんありすぎ・・・メニュー(ホームページから)左英語/右スペイン語(お勧めだけ)Black Rice (Arroz Negro) イカスミとイカのパエーリャSeafood Paella(Paella Marinera ) 漁師風・・・魚介類Mixed Paella(Paella Mixta) ミックス・・・鶏、魚介、野菜)Valencian Paella (Paella Valenciana ) バレンシア風・・・鶏、ウサギ、野菜本来のバレンシア風はウサギ、鶏、エスカルゴ、インゲンマメ、パプリカなど山の幸中心らしいです。Black Rice (Arroz Negro) イカスミとイカのパエーリャ一人前にサーブデザートのドライフルーツと甘いお酒消化を促進する為の食後酒は、口を付けずに回し飲みする。パエーリャ(Paella)とは?本来パエーリャはバレンシア語で鍋を意味する言葉だったそうです。バレンシア地方には平たく浅い独特の形状を持つ両手付き平鍋・・と言う調理器具があり、それが地方に伝播する内に、いつしかその平鍋(パエーリャ)で調理した料理がパエーリャと言う料理名に転じたようです。つまりパエーリャ鍋で作られた料理はパエーリャなわけです。料理としてのパエーリャもちろんパエーリャ鍋を使用し、米と肉(ウサギor鶏肉)or魚貝類と野菜をオリーブ油で炒めてサフランで色香をつけたスープで炊きあげ、さらにオーブンでローストした鍋料理です。(一般的には)米をメインに使用するので魚介がゴロッと入ったリゾットと言うよりはピラフ・・と言う所でしょうか。スペインでも、地中海に面する東部や南部は年間を通じて温暖な地中海性気候なので米の生産が盛ん。バレンシアでは特に米と柑橘類の生産が多く、パエリャはそんな米の料理なのです。そしてその米ももちろんアラブ起源。地方色として? カタルーニャ地方では米の代わりに極細の短いパスタ(フィデオ)を使う事があります。スペイン語で麺と呼ばれるフィデオ(fideo)は極細パスタですが、実はこれも、アラブ起源だそうです。アラブ料理?パエーリャ鍋によるパエーリャはバレンシアの郷土料理・・と紹介されています・・・が、先に紹介したように米もフィデオ(fideo)もアラプ起源。実はパエーリャそのものもアラブ起源だったようです 前にも何度も紹介していますが、スペイン文化はその歴史からイスラム文化と融合しています。イスラム時代以前、イスラム時代、イスラム終焉後(レコンキスタ後)と大きく3つに分けると解りやすいかも・・。どうもパエーリャの起源はイスラム時代の9世紀頃にさかのぼるようです。イスラムでは特に好まれたオレンジ果樹園(ナーレンジェスターン)で働くアラブ人(ムデハル)がオレンジの木の下でよく食べていたと言う・・。それがレコンキスタ後に残り、今に伝えられたのは、やはりモリスコ(Morisco)により継承された料理文化・・と言う事なのでしょう。他の店のパエーリャですが、トッピング等の参考にのせました。スペインが面白いのはイスラム時代があったから・・なのだ・・と言う事がここでもわかりますね かのナポレオンも言ってます。「ピレネーを超えてアフリカへ・・」山脈隔てて他の欧州の国とは違う・・と言う事です。さて、ナーレンジェスターンやモリスコについては以前紹介した「スペイン・セビーリャ10、 11」で詳しく書いていますが、参考までに。ムデハルとモリスコイベリア半島出身のイスラム教徒そのものをムデハル(mudejar)レコンキスタ後に改宗してこの地に残った彼らをモリスコ(Morisco)と呼ぶ。最後にちょっと・・。パエーリャをさかのぼるとクスクスとルーツが一緒なのでは?北アフリカ料理として知られるクスクスはセモリナ粉と小麦粉で作られた世界最小のパスタ料理。しかしもともとはバルガー(bulgur)という粗引き麦を使っていたとか・・。長期保存可能な食糧としてアラブ人がそれを携えて移動したことから、クスクスは地中海全域に広まったと言う。時期も近いし、パプリカ等入れる野菜も似ている。広まる過程で地域素材など利用されてパエーリャは米、クスクスは麦から小麦粉に変わっていったのではないか?なーんて思ったりした