LE GUIDE des meilleurs vins de France 2012 を買った。
本屋で本を購入したのは久しぶりだ。和書だとアマゾンで新刊や中古をすぐに買える(送料も無料)ので便利だが、洋書となるとネットでも案外探すのが面倒くさい。海外サイトで頼めば簡単ではあるが、急に読みたくなったので、昨年冬の渡仏時に紀伊国屋新宿本店で並んでいたのを思い出して購入した。定価25ユーロ、紀伊国屋価格は3200円ちょっと。
仏語が得意な人にバカにされる気もするが、本のタイトルを訳すと「より優れたフランスワインガイド2012年」という意味だ。「ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」という現地のワイン雑誌のデータをもとに毎年発行されている本で、昔はベタンとドソーヴ(読み方がいまいちわからん)が編集者だったことで有名だ。経緯は知らないが、そのスター記者2人は独立してしまい、いまは2000年の世界最高ソムリエであるオリヴィエ・プッシエさん(知らん)などが書いている。
シュッド・ウエストやラングドック・ルーションなどが、ローヌなどとそん色ないぐらいのボリュームで書かれている。「脱・高級ブルゴーニュ戦略」を目指す自分としては読み応えがあるのではないかと思い買ってみた。
とはいえ、そこは悲しいサガ、ブルゴーニュから読み始める。面白いと思ったのは、最高級の三つ星を与えているドメーヌの顔ぶれだ。
シャブリ ヴァンサン・ドーヴィサ、ラヴノー
Cニュイ クロ・ド・タール、ジャック・コンフュロン・コトティド、デュガ・ピィ、ドメーヌ・デ・ランブレイ、ドメーヌ・ルロワ、JFミュニエ、DRC、Gルーミエ、アルマン・ルソー、ジャン・トラペ
Cボーヌ ドーヴネ、ボノー・デュ・マルトレ、コシュ・デュリ、ルフレーヴ、ルーロ
マコネ ギュファン・エナン
シャロネーズ、ボジョレー なし
意外な印象を持つ人も多いのでは。
まず、ヴォギュエは完全に無視。以前、堀さんのサイトで、衝突があったと書かれていた記憶がある。ベタンたちの時代の話だと思う(あやふや)。
「コンフュロン・コトティド」って、ワイン屋に出入りするような個人客はあまり見向きをしない気がするが、DRCやルロワと同格の扱い。最初はジャン・ジャック・コンフュロンかと勘違いした。ワインが良くなっているのだろうか。
ルジェやコント・ラフォンは2つ星。いま日本で人気の高い作り手は2つ星や1つ星が結構多い。
さらに「新しいドメーヌ」として、なんとロベール・グロフィエが出てくる!。「世界中で評価の高いこのドメーヌだが、これまで長年、売るものがないからという理由で紹介を拒否されてきた。2005年からドメーヌ経営に加わったニコラ・グロフィエが受け入れてくれた」(意訳)とある。ドメーヌの経営方針の変化を感じる。ボンヌ・マールが貫録の18.5点(20点満点)ながら、ドメーヌ自体に星はついていない。
シャブリは、不動のクリーンナップという風情ですな。野球だと1人足りないか。サッカーでいれば不動の2トップ、F1ならターボ・エンジン時代のマクラーレン・ホンダのセナとプロストとか。たとえが古い。
暇つぶしには最高の本だ。
<おまけ>
Cニュイ・三ツ星ドメーヌの配点上位
20点 ルロワ=シャンベルタン、ミュジニー、リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、ジャン・トラペ=シャンベルタン(すべて2009)
19.5点 デュガ・ピィ=シャンベルタン2008、ルロワ=ヴォーヌ・ロマネ・ボーモン2009、DRC=モンラッシェ2000(わーい(^◇^) ガッツポーズw)、ルーミエ=ミュジニー2009、ルソー=シャンベルタン2009、クロ・ド・ベーズ2009
19点 コンフュロン・コトティド=マジシャンベルタン2009、デュガ・ピィ=マジシャンベルタン2009、ドメーヌ・デ・ランブレイ=クロ・デ・ランブレイ2009、JFミュニエ=ミュジニー2008、DRC=モンラッシェ2008、同1999(ここまで赤が出てきません!)、ルーミエ=ボンヌ・マール2009、レザムルーズ2009、ジャン・トラペ=ラトリシエール・シャンベルタン2009
(以下略)
メオはリシュブール、クロパラの評価がなく、エシェゾー2009の18点が最高。ルジェのクロパラ2009は19.5点。そのほかでは、ダヴィド・デュバンのシャンベルタン2009の19.5点が目立つ。点数をつけているワインはサンプル抽出した感じで、RWGのようにすべてを網羅する感じではない。