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カテゴリ:新書
著者:今井むつみ 言語は思考の基盤。これはあたりまえのこと。では異なる言語を話す日本人と外国人では、どれほど認識や思考のあり方が違うのか。 認知心理学の立場から、調査、実験の結果を数多く紹介しながらこれらの疑問に答えようとした本。 結論として、「異なる言語の話者が異なる認識をしているか」という疑問には、はっきりとした答えは出ていないのだけれど、なかなか興味深かった。 たとえば、「前、後、左、右」のない言語があり、数の概念も「1」「2」「たくさん」という大雑把な言語もある。 中国語では「持つ」という言葉に日本語よりずっと多くのバリエーションがあり、「色」の区別も言語によって大きくことなり、認識も異なる。 その一方で「基礎語」なるものには普遍性も見られたり。 英語圏の生後6ヶ月の赤ちゃんは「ゆるい接触」「きつい接触」の違いを理解する。しかし英語圏の大人にとっては「同じ」になっていく。 というように、言語が認識にバイアスをかけていく例も多い。 外国語を学ぶ意味はいろいろあるだろうけれど、こういった認識の違いを知り、相手を理解する努力のきっかけにもなるのだと思った。 しかし、翻訳家はすごいとつくづく思います。巧みに日本語にしてくれる翻訳家に感謝。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年12月13日 11時39分09秒
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