カテゴリ:鬼滅の刃と日本の歴史。
NHK「歴史探偵」西遊記の回を見ました。
玄奘三蔵の地誌「大唐西域記」が、 ファンタジー小説の「西遊記」へと変貌した謎について。 あとで調べたことも含めて内容をメモしておきます。 ◇ 玄奘は身長180㎝もある大男だったそうです。 砂漠や山脈を超えて往復3万キロを踏破するくらいだから、 たんなる知識人じゃなくて、 冒険家・アスリート的な人でもあったんでしょうね。 京都の臨済宗興聖寺には、 世界最古の「大唐西域記」の写本があるそうです。 ◇ 番組を見た後にネットで確認したら、 Wikipediaに「西遊記の成立史」という詳細な記事がありました。 簡単にいうと、 宋の時代に生まれた都市講談が、 『大唐三蔵取経詩話』という形で刊行され、 それを原型として元の時代に雑劇などが発展し、 さらに明の時代になって、 全100回からなる小説が完成したとのこと。 これは「世徳堂本」と呼ばれるもので、 最初は南京で刊行されましたが、 現存するものは福建省南平市建陽で刊行され、 すべて日本で保管されてきたのだそうです。 番組でも、福建省南平市を取材していましたが、 ここは千年前から木版印刷が盛んだったらしい。 ![]() ◇ 孫悟空のルーツも、やはり福建省にあります。 ここには、もともと猿を神として祭る風習があって、 それは畑を食い荒らす猿への餌付けに由来するそうです。 Wikipediaによると、 江西省と広東省にまたがる山中には、 旅する婦人をさらう「斉天大聖」という妖猿の伝説があり、 2005年には、福建省順昌県の宝山で、 元末~明初期の頃の「斉天大聖」の墓が発見されたとのこと。 番組でも、この墓を取材していました。 さらに、 敦煌の壁画には「馬を曳く猿を連れた唐僧の像」もあり、 遼の墳墓の彫刻には「雲に乗る猴行者の像」もあるらしい。 ※猴行者こうぎょうじゃとは、宋の時代の孫悟空の呼び名です。 ◇ 猪八戒のルーツは、 摩利支天の御者(御車将軍)のブタです。 これが日本ではイノシシと誤読されたため、 鎌倉時代からは摩利支天が軍神として崇められ、 上野アメ横の徳大寺にもそれが祀られています。 沙悟浄のルーツは古く、 もともとは砂漠に倒れた玄奘を水場に導いた「大神」でしたが、 これがやがて「深沙神」と呼ばれ、 元の時代には「沙和尚」と呼ばれ、 明の時代には水怪の「沙悟浄」に変わり、 それとともに弟子としての地位もどんどん下がったあげく、 日本では滝沢馬琴の翻案でカッパになってしまった。 またもや馬琴ネタ! 牛魔王のルーツは、チベット仏教の伝説の妖牛だそうです。 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.26 09:42:47
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