カテゴリ:わたどう~ウチカレ~らんまん!
朝ドラ「らんまん」第14~15週。
◇ まさか佑一郎まで、 実在の人物をモデルにしてるとは知らなかった… でも、 「札幌農学校でアメリカ人の先生に教わった」 みたいな話をしてたので、もしや?と思って調べてみたら、 廣井勇ひろいいさみという土木工学者がモデルなのね。 彼も、牧野富太郎と同じく、高知県出身の1862年生まれ。 札幌農学校では、 クラーク博士ではなく、ウィリアム・ホイーラーに学び、 内村鑑三や新渡戸稲造と同期生だった、とのこと。 1883年に、横浜港から米国に渡り、 ミシシッピ川とミズーリ川の治水工事に携わった。 まったく史実どおりなのですね。 なお、佑一郎は、 「リオデジャネイロ号で渡米する」と言ってましたが、 この船はタイタニックのように沈没したらしく、 Twitterなどでは、不穏なフラグじゃないの?と噂になってます。
佑一郎は、北海道開拓の話もしていました。 田邊教授は、 学歴のない人間を「虫けら」呼ばわりしてましたが、 佑一郎の話によれば、 北海道の開拓を担っていたのは、そんな無学の人たちなのだと。 そして、無学の人といえば… マキシモヴィッチの助手の話も出てきましたね。 いわゆる「プラントハンター(植物採集者)」です。 これまた 須川長之助という実在の日本人。 岩手県出身の百姓ですが、ちゃんと歴史に名を残しています。 … 万太郎は、 須川長之助とはちがい、 田邊教授の助手になることを拒みましたが、 わたしは、あのやりとりを聞いていて、 「万太郎もプラントハンターになればよかったのでは?」 …と思ってしまった。 そのほうが収入も安定するし、 新種の学名にも「マキノイ」と入れてくれるって言うし、 それなら教授陣とも対立せずに済んだんじゃないかしら? でも、 万太郎の野望とプライドがそれを許さなかったのですね。 (プラントハンターの打診が史実だったかどうかは不明) ◇ それにしても、さすが長田育恵! 思ってた以上に、かなり幅広く、 同時代の人物や文化を織り込んである。 枕のネタも面白かったです。 日本髪の寿恵子と、散切り頭の万太郎では、 枕が違うのですねw かたや田邊ご夫妻は羽毛のホテル枕を使ってるらしい。 どこで売ってたんでしょうか? ちなみに… ・田邊教授の奥さまの帯は羊歯紋シダモン (シダは、花も咲かせず種も作らないけれど、地上の植物の始祖にして永遠) ・田邊教授の邸宅の庭には蓬莱羊歯ホウライシダ ・田邊教授からのお土産は蓬莱豆ホウライマメ (蓬莱とは、神仙思想の「桃源郷」のこと) ここらへんにも何かしら曰くがあるっぽいけど、 よくは分かりませんでした。 ◇ ところで、聡子役の中田青渚は、 日テレ「しょも恋」のときは女子高生だったのに、 今回はいきなり教授夫人だったので驚きました。 ※日テレ「だが情熱はある」ではニット帽女子。 ※すでにBS時代劇では主演もしてるらしい。 そして、 すでに退場したかと思っていた田村芽実も再登場! TBSの「18/40」もシスターフッドの物語ですが、 朝ドラ「らんまん」も、 (万太郎と竹雄の尊いBL要素がなくなった代わりに) 寿恵子をめぐるシスターフッドの話に転換しつつある? ◇ 実際、長田育恵は、 ドラマ後半の主役を、万太郎ではなく、 寿恵子のほうに移している気もします。 あいみょんの主題歌も、じつは万太郎ではなく、 寿恵子をイメージして書いてあるらしい。 従来の牧野富太郎は、 「妻に子供をたくさん産ませて、さんざん浪費した男」 と語られてきたきらいがありますが、 このドラマでは、 むしろ寿恵子のほうが、 「子供をたくさん欲しがって、夫のためにどんどん浪費した」 みたいに描いてる感じ。 石版印刷機を買ったのは史実どおりですが、 買おうと言い出したのは、万太郎ではなく寿恵子。 子供を作りたがったのも、万太郎ではなく寿恵子ですよね。 夫婦のいろんなことを、寿恵子のほうが決めている。 その結果、 夫が妻に苦労を強いたのではなく、 妻がみずから苦労を買って出たのだ、 という解釈になってます。 どっちが史実なのかは分からないけれど。 … なお、牧野の自叙伝によると、 石板印刷機は「郷里へ送った」らしいので、 長屋を改装したというのはフィクションですね。 ちなみに、 当時の1000円は、現在の価値で2000万円くらいだそうです。
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最終更新日
2023.07.15 19:41:45
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