カテゴリ:シチュエーション・アナリシス
うん、一理ある。というより、わが意を得たりという気がする。
前エントリーの拙文で私が言いたかったツボは、煎じ詰めればこのことだった。 ・・・大滝秀治さんに、「おまえの話はつまらん」と叱られたような気分である(笑) ■「解散しろとあまり言うな」森元首相が石破幹事長に苦言 【時事通信 12日】 森喜朗元首相は、あの風貌のせいか国民的人気はさっぱりだが、なかなかどうして包容力と分析力のある相当な人物である。 いつも茫洋とした顔つきで淡々としていながら、ときどき苦虫を噛み潰したような表情でポツリポツリと鋭い的確なことを言う。 ・・・たまにうっかり失言をやらかすこともあるが(笑) 隠然たる影響力を持つ重鎮と呼ばれるには理由がある。簡単に老害だとか決めつけるのは早計である。 この発言も、さすがと思う。人心の機微を知っているベテラン政治家ならではの衷心からのアドバイスである。石破幹事長は、かなりの程度素直に受け止めていいのではないか。 政権奪還がほぼ確実な現状で、「解散しろ、解散しろ」と自民党側からあまり連呼し喚くのは、さもしい、えげつない、餓狼やハイエナのごとき醜悪さが漂うのは否めない。 能ある鷹は爪を隠す。日本国を代表する公党たる自由民主党は、もう少し品格を持っていてもいいかも知れない。 もちろん、「近いうち」という日本語の言い回しが、長くてもせいぜい「2~3か月以内」を意味することは、真面目に言葉の表現に向き合っているものの端くれとして、疑いない語釈と断言できる。 首相が8月8日にこの言葉を公言したことを思えば、遅くとも11月解散・公示、12月総選挙投開票が日程の中心軸となるのは当然であるが、必ずしも強く拘泥する必要はないように思える。例えば、1月解散になってもいいだろう。 また、自業自得とはいえ、民主党政権は瀕死の重体で断末魔を迎えている。助かる見込みはない。やはりそこには何ほどかの憐憫と惻隠の情が湧くのを禁じえない。 私の経験と直感では、こうした場合、日本人の大多数は、溺るる犬を棒で叩くような「弱い者いじめ」的な言動を好まないように思う。 「調子に乗っている、はしゃいでいる、チャラチャラしている」と言われかねない。これは、日本社会においてはかなり拙い。 冗談で「俺はビッグだ」と発言して、何十年も完全に干された人気アイドルもいる。最近やっと復活したのはめでたいが。 これが国民性である。「もの言えば唇寒し秋の風」(松尾芭蕉)である。 また、解散総選挙を適宜遅らせることは、民主・自民両党共通の脅威である「維新の会」などの新興「第3極」勢力を兵糧攻めにして、体力を消耗させる効果もあるとされ、両党には暗黙の了解ができているという見方もある。 その辺りの高度な政治的情勢判断も含めて両にらみしつつ、阿吽の呼吸の立会いで横綱相撲を取ればいいのではないか。 放っておいても、遠からず必ず民主党政権は自壊する。 解散風を煽るのは、マスメディアや、及ばずながらわれわれインターネットの言説に任せておいても十分なように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[シチュエーション・アナリシス] カテゴリの最新記事
|
|