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ルドゥーによる純粋幾何学
Q 18世紀末のC.N.ルドゥーの建築が、近代性の現れ、近代建築の先駆と評されるのは? A 形態が立方体、球、円柱などの自律的な純粋幾何学に基づいているため 美術史家H.ゼードルマイヤーは著書「中心の喪失」で、ルドゥーによるある文人の家について、「コンクリートが出現するずっと以前に、典型的なコンクリート形式が表れていた」と書いています。また美術史家エミール・カウフマンは著書「ルドゥーからル・コルビュジエまで」の副題を、「自律的建築の起源と展開」として、ルドゥーの建築がコルビュジエにつながるような、過去によらない自律的建築の起源としています。過去様式にとらわれずに、自律的に純粋幾何学によって構成する点が、ルドゥーの建築を近代建築の先駆とする理由となっています。 ・ルドゥーによるラ・ヴィレットの門を見ると、四周の神殿正面のポルティコは、無装飾で単純な形に還元されています。オーダーの円柱であるべき独立柱を角柱にし、壁には横線を多く入れ、円柱形のドラムにはアーチの両側にオーダーを置くパラディアン・モチーフが使われています。平面は縦横に左右対称で十字の軸性を持ちます。筆者には100年後のコルビュジエよりも、200年前のパラディオにつながるように思えます。 参考文献 エミール・カウフマン著、白井秀和訳「ルドゥーからル・コルビュジエまで―自律的建築の起源と展開」中央公論美術出版、1992、原典1933) ハンス・ゼードルマイヤー著、石川公一、阿部公正訳「中心の喪失-危機に立つ近代芸術」美術出版社、1965、原典1948 Sir Banister Fletcher ”A history of architecture” The Athlone Press 1975 ゼロからはじめるシリーズの17冊目、近代建築入門が出版されました!約400頁すべてにイラスト!ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。 南米の川の方での書籍紹介文:「ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。」 アクソメで分析するルイス・カーン、ル・コルビュジエ、ミース、グロピウス、F.L.ライト イラストで読む建築史! 建築基準法の法令集の読み方を、わかりやすく学べます。第5版をお求めください。 建築法規スーパー解読術 新訂第5版 修正追加部分 建築法規の入門はこれで↓ 改訂第3版をお求めください。 1級建築士試験の用語、公式などを一気に覚えられます。新訂版をお求めください。 木造入門の決定版!改訂第2版をお求めください ミカオ建築館ではユーチューブ動画と書籍を検索しやすくまとめてます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.04.11 12:23:29
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