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2008.12.13
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小栗旬の「カリギュラ」を観てるうちに思った。
史実としてのカリギュラを知りたい、と。
いい本はない?と人に聞いたら、貸してくれたのががこれ。

…やーーん。

このシリーズは、二回ぐらいトライしたけど、
一冊も突破出来てないの失敗

とりあえずDVDは途中にして、
この本のカリギュラのとこだけ読んでみた。

以下は個人的な備忘録。
やや長め。




カリギュラ。
塩野先生的にはカリグラ。小さい軍靴の意味。
軍のマスコット的存在で兵士から付けられたニックネーム。


三人兄弟の末っ子(妹あり)。
曾祖父には特に愛されたらしい。

七歳で父が死ぬが、母からは「父は祖父に殺された」と刷り込まれる。

後に二人の兄と母は反逆罪で流刑もしくは投獄され、不遇のうちに他界。

最初の妻は、出産がもとでBABYと共に死亡。


即位は24歳。
若く美しく、独身。
元老院も「この若造なら俺らのいいなりさ」と、タカを括ってOK。

盤石なローマ帝国。
でも、民衆は緊縮財政には飽き飽きうんざり。
新しい皇帝には期待が高まる。

「カリグラくらいすべての人々に歓迎されて皇位についた者はいない」

なるほど。

カリギュラは圧倒的な財政黒字をたったの三年で食いつぶしてしまうが、
それは「大衆が何を求めているか理解し、それに満足を与えようとしただけ」だから。

求めてもいないのに大権と栄誉が次々と転がりこむ。
向かうところ敵無し。
でも、晩年の祖父のように、人気がなくなるのは絶対にイヤ。

だから、人気につながることはすぐにやる。
拳闘の再開、減税しかり。

カッコイイ自分。自分大好き。
自分最高。
俺が一番。


なのに・・・

・・・なんで「冠王冠」がないわけ?
オリエントの王子達に比べて不公平だ、と。
それを解消するため、自らを皇帝より上位の「神月」とすることに。


もちろん一神教のユダヤ人とは争いの火種となり、
ここから、財政面だけではなく、外交でも破綻が始まる下向き矢印


カリギュラの不幸は、政治が全くわかっていない若者が政治をせざるを得ない立場に立ってしまったことだ、と。
繊細で、影響されやすいところはあったが、
頭も悪くなく、後に伝えられるようなモンスターでもなかった、と。


カリギュラを暗殺したのは、近衛兵大隊長2名。ケレアとサビヌス。

ケレアはたたきあげの軍人。60歳近く。
カリギュラの父親の時代から仕えていた者。

実の父も母も亡くしていたカリギュラは、ケレアに父親のように甘えていたのでは?

そして、ケレアは不肖の息子を始末する父親に似た思いであったのでは?

…というのが塩野説。


ケレアは従容として死刑を受け入れ、真相は明らかにはなっていない。

あれほど熱狂的に支持されたカリギュラなのに、その埋葬の場所すらわかっていない。




80ページぐらいだけど、内容が濃くておもしろかった。
エルサレム問題も勉強になったし。


カフカの戯曲も注文済。
早く来ないかな~。






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Last updated  2008.12.14 00:17:36
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