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カテゴリ:生活
年に一度、舅の仕事関係の日帰り旅行がある。舅は事業主で職人さん。それも、岡山のこの業界では一番の古株ぐらいなので、自分が参加しなけりゃ始まらんぐらいの考えでいるような人だ(笑)。
だからなのかどうなのか、近くに住んでいるとは言え、別居で仕事にもなーんの絡みもないというのにやたらと私たち家族まで参加を促す。そのおかげでこれまでにも梨狩りだとか温泉旅行だとか川魚のつかみ取り(これは私は入院していて行けなかったのだが)とか、とにかくいろんなところに連れて行ってもらっている。 周囲はどれも職人風のおじいさんとその奥さんなので、私たち家族は何度参加しても場違いな雰囲気。最近はなんだかんだと理由をつけて参加をやんわりと断ってもいたのだけど、この2年ばかり舅が入退院を繰り返すようになり、高齢ということもあって、「こうして家族でどこかに行けるのも数えるほどかも」なーんて思うようにもなったのだ。 今回の旅行先は山陰。カニ食べ放題ツアーというのでそれも心躍らされた。ただ、ダンナは甲殻アレルギーがあるのでカニは食べられないし、仕事も日曜は休みではないので今回は参加しないという。えー、実の息子が行かないのに嫁と孫ですかい?KAIに「あんただけ行く?」と聞くと、それは絶対にイヤだと言うし(舅はこの頃何度も同じコトを繰り返したり、半ば強引に自分の好みを押しつけたりする。それは年齢のため仕方のないことなんだけど、KAIにはどうしてもついていけないのだ)、でもきっと孫とはどこかに行きたいに決まっている。姑にしてみれば、舅と二人で参加というのも憂鬱らしく(笑)、味方についてその場をおさめる役になっている私がいたほうが何かと都合もいいのだろう。 ……とかなんとか、いろんな理由を自分の中でくっつけて、「やっぱりカニ食べたい」から参加しちゃった(笑) 行き先は浜坂という山陰の漁港。私の祖母の出身地でもあり、幼い頃、祖母の親戚の家に何度か遊びに行っている。「浜坂のおばちゃん」という優しい人がいて、可愛がってもらった記憶もある。 岡山からは車で4時間ぐらいかな。日帰り旅行にはギリギリセーフの距離。このシーズンは岡山からは「山陰でカニを食べるツアー」のバスがよく出ていて、今日のお店も同じ時間帯に観光バスが数台。これで食べ放題なんて大丈夫なんだろうか???……と思うも、それは全然心配なし、なのね。 長テーブルにずらーっと並んだカニづくし料理。茹でガニ、焼きガニ、カニ鍋、甘エビが一人ずつセットされていて、それがどれもおかわり自由。ビールも一人1本付き。う、ひゃー。 食べて食べて、とにかく食べまくる。焼きガニを焼いている間に茹でガニをぺろり。はい、おかわり。ごはんなんて食べている場合じゃないので、まずはカニ、カニ、カニ。バキッと折ってはするっと身を出し、パクッ。するっと身を出しパクッ。パクッ。しあわせじゃ~。 大満足するまで食べまくって、最後は鍋にご飯を入れてカニ雑炊で締め。うまー。 帰りに湯村温泉で足湯につかり、温泉卵も作ってみる。 湯村温泉は、吉永小百合がやった「夢千代日記」の舞台なんだよね?それを盛んにアピールするんだけど、肝心の夢千代を知らない私には、何度聞いてもピンとこないのでした。ま、話のネタにと写真だけ撮ってみたけどね。 ほとんどバスに揺られている急ぎ足の旅だったのだけれど、なかなか充実のツアーでした。 バスの中は日本酒に焼酎にビールが飲み放題という豪勢さ。昨夜も遅くまで仕事していたので睡眠時間はわずか。おかげでビールを飲んでは爆睡、また起きては飲み爆睡という繰り返し(笑)。 起きている間に耳にするガイドさんの話がまたおもしろく、KAIはすべて聞き漏らすまいと身を乗り出すようにしていた様子。ほんと、これまで出会った中でも最高のガイドさん。お年はもう60代かも…という超ベテランで、その博学ぶりは驚嘆ものでした。バスから見る名所案内だけでなくて、それに関する全国各地の情報を織り交ぜて話すのよ。風力発電の諸経費とかどれぐらいでペイできるかとか、この県ではこういう取り組みしてるとか。徳川の系譜のことや、赤穂浪士の(今まで聞いたこともないような)こぼれ話、横溝正史の小説に関するうんちくや関連小説の話。とにかく話題が豊富で、最初は「おばさんガイドか」とバカにしていた車中の雰囲気が、次第に変わっていくのがわかるほど。気の使い方も実にすばらしくて、そのおかげで私もビールたっぷり飲めたんだけど(笑) またこの人の案内でどこかに行きたいわーと思わせるほどの、本当のプロでした。この方と出会えただけでも、今日は満足という旅よ。 あー、楽しかったわ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月19日 22時48分36秒
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