「 地下鉄は良いね、思うままにどこへでも行けるから 」 またまた、大変良い映画を観た・・・ タイムパラドックス的発想を使った、親子の確執をひとつひとつ解き明かして行くような、なかなか深くて切ないファンタジーです。 相変わらず原作は未読なのですが、この映画は原作を読んでみたくなる秀逸さを感じます。 監督は、「命 」の篠原哲雄。 主演、堤真一はこのところ良い映画を選んで出演していると言う気がしますね。助演ではありましたが「ALWAYS 三丁目の夕日」で好演した後に続いて、大変話題になるだろうと予想される本作での主演となりました。愛人宅からたまにしか帰らぬ父を子供の頃から観ていて軽蔑していたのに、自分も結局は愛人を持っているあたり、父を嫌っても、嫌っても、どこか似てきてしまう、小沼佐吉の次男役です。 真次の愛人で真次と同じ会社の下着メーカーのデザイナーである、みち子役に岡本綾。 真次の父親役に大沢たかお。助演ながら、今回は強烈な印象で主役を食う勢いでした。
Story : 絶縁状態の父親が倒れたという知らせを受けた日、小さな衣料品会社の営業マン・長谷部真次は、いつものようにスーツケースを転がしながら地下鉄で移動していた。そこに突然、亡き兄が姿を現す。兄の背中を追って地下通路を抜けると、そこは昭和39年の東京だった。ほどなくして真次は無事現在に戻ってくるが、後日、今度は恋人の軽部みち子も一緒に昭和21年に遡り、闇市でしたたかに生きる若き日の父・小沼佐吉に出会う。
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ハリウッド映画でよく出てくる天使みたいな存在、時には、「ブルース・オールマイティ」では、白ひげのおじいさんだったり、「グリーン・マイル」では黒人の大男だったり、(なぜにこの2作品?と疑問もわきますが、たまたまふっと浮かんだのがこれ(笑)、もっといっぱいありますけどね)、ルーベンスなどの絵画に描かれているエンジェル的イメージとは違った神の使いのような存在が使われる事が多いですね。
キリスト教圏でない日本でのお話なので、天使というのとはまたイメージ以上に宗教観からも違っていますが、神から使わされた存在みたいな、あの世からのメッセンジャーとでも言うのでしょうか。独特の雰囲気を放つ演技派俳優、田中泯演じる恩師に出会う事によって、主人公の長谷部真次は縦横無尽に過去へとと飛ばされて行きます。その時代は、潜在意識の中で主人公真次が心から求めていた答えを探す旅。 いわゆる世にも不思議な物語・・・・。(頭の中で流れるメロディ、チャララン、チャララン~♪以下自粛・・) (。-_-。)ゴホッ・・・せっかく良いお話なのにちゃかしてごめんなさい、脳みそ少々腐り気味。 地下鉄が開通した当時の昭和37年の懐古映像で丸の内線が使われていました。
永田町の駅の階段を上ると、なぜか、そこは昭和39年の丸の内線の新中野駅前。目の前にオデヲン座があって、忘れもしない大韓航空機事故で亡くなった、坂本九さんの代表的映画 「上を向いて歩こう 」 や未だに女優として女王健在、吉永さゆりさんの 「キューポラのある街」 が上映されていました。
へぇ~この時代なんだ・・っと思えたり、ストーリー以外の映像上でもいろんな意味で色々とこだわり満載で見所がいっぱいです。 それにしても大沢たかおの演技は変貌を遂げすぎ感があります。
小さい頃から靴磨き少年のようにあざとく生きるために何でもやって育ってきた孤児の少年だったら、満州帰りのアムールのようであってもリアリティがあり、そして真次の父のようであってもおかしくないと思うのですが、人って、いくら裏切られる人生を経験して辛酸をなめても、戦場でみた父のように性格からして別人のように、しかもべらんめぇ口調な異質な人物になるとは思えないのです。
いろんな人物像を演じ分けられる大沢たかおの演技は評価するとして、メトロと呼ばれた小沼佐吉個人は、出征する時のような心静かなシャイな青年であったのに、別人格のようなべらんめぇ口調の江戸っ子みたいにはんっちゃって・・・。かなりの誇大解釈気味ではないかなっと違和感を少々感じました。純愛ものを演じている大沢たかおとヤクザ映画を演じている大沢たかおを持って来ちゃったような、そんな違和感とでも言うのでしょうか。 そして、同じく常盤貴子の演技もあんなにすれっからし気味の女だったのに、何年経ったのかはわからないけれど、あんなに穏やかで包容力のあるな女性になりうるとも想像が付かないのです。 岡本綾は、家に帰る愛人を静かな笑顔で送り出す儚げな女役が似合う女優さんですね。 今回の試写会は青山一丁目の「草月ホール」、ステージにはフレームのついたスクリーンがちょっと観にくいし、音響もあまり良くないので邦画だと台詞がところどころ聞き取りにくいし、映画を上映するのには少々無理があるような気がしていました・・・・。でも映画を観進めて行くうちに主催者さんの意図というか、今回の試写へのこだわりを大変感じました。 つまり、主人公が一番出会わなければいけなかったワンシーンが、地下鉄の「青山一丁目」だったから!!・・・私の心の中でナイス!っと叫んでしまいました☆
そして、ストーリーが進むうちに、スクリーンのフレームの事などまったく気にならなくなりました。

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