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祈りと幸福と文学と

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2020.02.14
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作品番号2番
 「雪舟庭」 その二




(雪舟「天橋立図」)



 その夏、私は中国路(日本の中国地方だ)に、とある臨済宗東福寺派寺院を訪れた。
 その後庭は、画聖雪舟が築庭したということで全国に名を知られている。

 いわゆる雪舟庭だ。

 私がそこを訪ねた目的は、いうまでもない、雪舟が造園したパンキーな庭を楽しむことにあった。
 だが、その期待は見事に裏切られた。
 国の史跡に指定されたこの庭は、名勝地とされるにふさわしく、
 くそまじめでおとなしかった。
 酒を飲み、窓に向かって尺八を吹き歌をうたってから絵筆をとったという雪舟を、その庭から感じ取るのは難しかった。

 たとえば、心字池の鯉である。
 池の中の緋鯉を、庭園を囲む丘の上から眺めたのだが、私には、雪舟の庭に緋鯉はふさわしくないと思えてならない。
 イカでもスッポンでもタツノオトシゴでも構わない。
 だが、鯉は雪舟じゃない。

 この池に泳いでいるのがトビウオであれば、これは雪舟だ
  (ちょっと飛ぶには庭が狭すぎるけど)。

 この池に泳いでいるのが獰猛なホオジロザメであれば、これは徹底的に雪舟だ
  (池の大きさがサメの体より小さいのが難題だけど)。

 この池に泳いでいるのが無数のピラニアであれば、これは徹頭徹尾雪舟だ
  (アマゾン川から運んでくるのはたいへんだけど)。

 しかし、雪舟を庇護していた大内政弘の財力も無限ではないので、
 現実的なところで鯉に落ち着かざるをえなかったのかもしれない。
 大人の事情というやつだ。

 築庭は、そういう現実にも顔色を窺わなければならないのだろう。
                             (つづく)


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Last updated  2020.02.14 04:00:09
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