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2009.08.10
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カテゴリ:戦争を語る
皆様、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

本日の「トーク&トーク」「戦争を語る」と題しまして、戦争中のお話をひとつしたいと思います。

今回のお話は、防空壕の中でひとり死んでいった少女・ムッちゃんの話をしたいと思います。
まずは時計の針を1945年(昭和20年)の横浜へもどしてみてください。

横浜に住んでいた「ムッちゃん」こと山下睦子さんは、小学校6年生でした。お父さんは出征し、食堂で働いて一家を支えていたお母さんにかわり、小さな弟の勝くんの面倒を見ていました。この頃、横浜の小学生達は皆学童疎開していたのですが、お父さんの戦死の公報を信じていなかったお母さんの意思でムッちゃんは疎開せず、横浜でお父さんの帰りを待ち続けていたのでした。

5月29日。横浜大空襲が起こります。この時は八千~一万名の死者が出ました。中でも東急湘南線(現在の京浜急行電鉄本線。当時は戦時中の企業集中合併で、東急の路線だった)黄金町駅では、退避した電車の乗客と避難してきた乗客が、焼夷弾の雨に行く手を阻まれ、628名(駅長の記録による)もの焼死者を出しました。

この横浜大空襲でムッちゃんは、お母さんと弟を亡くします。そして一人ぼっちになったムッちゃんは、大分に住んでいる伯父さん夫婦を頼って大分へと行きます。

しかし大分に着いてみると伯父さん夫婦は既に亡くなっており、ただ一人のいとこ・香代さんに面倒を見てもらうことになりました。彼女は料亭で住み込みの女中をしており、ムッちゃんを置いてもらうかわりに座敷に出て、酔客の相手をしなければなりませんでした。

そんなある日、ムッちゃんが血を吐きました。肺結核でした。今でこそ、ストレプトマイシンなどの新薬で結核は「怖い病気」ではなくなりましたが、当時は結核、それも肺結核と言えば「不治の病」として大変恐れられていました。居候、それも料亭とあってはムッちゃんを置いておくわけにもいきません。

そこで香代さんはムッちゃんを近くの防空壕(現在の日豊本線・西大分駅付近と言われています)に隔離する決心をしました。一日中防空壕に横たわっているムッちゃんの事を回りの大人たちは「非国民」ですとか、「肺病病みは出てくるな」と言って蔑みました。

そんなある日、京都から疎開してきた少女・町子さんとムッちゃんは知り合います。年齢が近かったこともあって二人は、「ムッちゃん」「マコちゃん」と呼び合う仲良しになりました。

7月16日。大分にも大空襲が襲い、いとこの香代さんが亡くなります。するとムッちゃんの面倒を見てくれる人がいなくなり、容態は急速に悪化しました。食べるものを恵んでくれる人もいません。中には「肺病病みは出てけ!」と邪険にする大人さえいました。

そして8月15日、「マコちゃん」は防空壕のムッちゃんを訪ねます。もう起き上がる事さえ出来なかったムッちゃんは「マコちゃん」に自分が大事にしていたお手玉を託しました。その数日後、ムッちゃんはわずか12歳という短い命を終えたのです…。ムッちゃんの死体を発見した大人たちは初めて、自分たちのした事の残酷さと愚かさに気が付き、皆泣きました。

このムッちゃんの話はその後、長い事語られる事がありませんでしたが、1977年に京都の主婦・中尾町子さんが「昭和三十三回忌」という投稿記事で新聞に寄せた戦争の手記によって初めて世に知られることになりました。町子さんとは、そうです、あのムッちゃんと一番の仲よしだった「マコちゃん」の事です。

その後この物語は新聞、テレビなどで大きく取り上げられ、1983年(昭和58年)8月12日に、大分市内の平和公園に「ムッちゃん平和像」が建てられました。そして1985年(昭和60年)にはそのムッちゃんの物語を綴った映画「ムッちゃんの詩」が上映されました。

現在でも大分市では毎年8月になると「ムッちゃん平和祭」というセレモニーが行われ、市内の小中学生による平和を訴える弁論大会などが開催されます。(今年は8月4日に行われました)

戦争。それは人と人とを傷つけあうだけではありません。人の優しい心をまでも傷つけてしまう、愚かなものなのです。今の世の中、欲しいものはすぐに手に入り、食べたいものはすぐに食べられる。そしてそれを「当たり前の事」と思いこんでしまう。
そんな時に、この戦争の愚かさと悲惨さ、残酷さを今一度思い出したいものです。二度と、このムッちゃんのような子供達を出さないためにも。


ムッちゃんに学ぶ「戦争と平和」


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最終更新日  2022.09.30 22:31:42
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