カテゴリ:歴史/考古学/毛人
南蛇井増光寺C区の甕に続き、高坏、鉢、器台の検討を行う。残存部が少なく、分類不能なものは予め省いた。
分類結果 「南蛇井増光寺エリアC区の土器」 土器分類の類型(在来系は「おぢさん」シート、外来系は「成塚向山」シート参照) 鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類 本遺跡の鉢で際立った特徴は赤彩品(末尾が b の類型)が多いことである。上丹生屋敷山遺跡では環濠内段階で16点中2点。環濠外段階では皆無であった。鏑川流域の弥生後期の集落では西端に位置し、赤い土器と呼ばれる箱清水式土器の領域に近いことが影響しているだろうか。 もう一つ注目すべき点は、上丹生屋敷山の環濠外段階で見られたような外来系のB1やE類型がまだ見られない点である。 類型で一番多いのは A1Mb で、A1Ma が次いで多い。両者の違いは赤彩の有無のみで、平底で直線的に開く形態の鉢が当遺跡では圧倒的に多いということになる。上丹生屋敷山では A1 の底部が突出しないものと A2 底部が突出するものがほぼ同数であったが、本遺跡では平底が多いという傾向がある。 杯部が深い樽式の伝統的な高坏(先頭が A または B)が13点に対して、ハの字状に開く杯部を持つ高坏E が9点となっている。上丹生屋敷山の環濠内段階では、樽系7点対、ハの字5点だったので、比率としては非常に近い。上丹生屋敷山の環濠外段階では樽系は姿を消している。南蛇井増光寺の高坏 E の杯部は広がりが弱く樽式と中間的。 C区ではミニチュアを含め以下9点の器台が出土している。内4点が検討対象の住居からの出土だが、残存部が少ないことと、器台であるか疑問ということもあり、2点のみを分類した。形はばらつきがある。50号住居の器台は北陸系だろう。 図版は富岡市教育委員会 1997『南蛇井増光寺遺跡Ⅴ』本文編から採り、再構成と住居番号を付す編集を施した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.11.17 21:11:51
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