カテゴリ:歴史/考古学/毛人
下丹生赤子Ⅰ遺跡では弥生後期の住居が29軒検出されている。このうち8軒の住居の土器が報告書に図版化されている。これらのうち7軒の住居の土器を分析した。
鏑川上中流域のエリア区分 鏑川上中流域の弥生集落分布 遺跡の位置については以下参照。 鏑川流域(丹生エリア)の鏃分析 下丹生赤子Ⅰ遺跡の土器分類結果 下丹生赤子Ⅰ 土器分類の類型(在来系は「おぢさん」シート、外来系は「成塚向山」シート参照) 鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類 最初に甕と壺の傾向を見てみよう。甕で一番多いのは A1Ra。輪積みがなく、やや開く口縁部を持ち櫛描施文の甕が多い。他にも3文字目が R:「櫛描施文」のタイプが目立ち、P:「縄文施文」が無い。1点のみであるが、S字甕が検出されている。やや高い位置に横刷毛が施され、内側に刷毛目はない。 壺も櫛描施文が多く、縄文施文は1点に留まっている。在来系には見られない長頸壺 F3 が1点検出されている。 甕と壺の類型毎集計 〔左上〕44号住居 甕1 〔右上〕44号住居 甕5 〔左中〕26号住居 甕1 〔右下〕38号住居 壺4 〔左下〕26号住居 甕2 鉢は3文字目 M:「直線的に開く」タイプが5点、N:「強く内湾する」タイプが3点。4文字目 a:「無彩」が5点、b:「赤彩」が3点となっている。 〔左〕14号住居 鉢6 (A2Na) 〔右〕14号住居 鉢7 (A1Mb) 高坏は先頭Dの「内湾の強い椀型杯部」を持つものがやや多く、後出的なE:「ハの字状に開く杯部」も見られるが、樽系のA、Bや吉ヶ谷系のCのタイプも存在している。器台は完形のものがない。脚部としたもののいくつかは器台だと思われるので実際はもう少し多くなるだろう。高坏、器台を通じて脚部は後出的な4:「ハの字状に開く脚部」、5:「大きく裾が広がる脚部」を持つものが多く、丸い孔を穿ち、無彩のものが多いという傾向がみられる。 〔左上〕4号住居 高坏4 (B7Na) 〔右上〕14号住居 高坏8 (E??a) 〔左中〕66号住居 高坏3 (C??b) 〔右下〕66号住居 高坏4 (D5Oa) 〔左下〕14号住居 器台11 (B???) 図版は 富岡市教育委員会 2009『丹生地区遺跡群』《図版編》より。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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